めざすべきは、プロデューサーか、テクノロジスト

リクルートワークス研究所が、2030年の働き方の未来を予測した「テクノロジーが日本の『働く』を変革するWork Model 2030」では、従来のゼネラリスト、スペシャリストとは異なる新たな4つのプロフェッショナル像の指針を提示しています。

4つのプロフェッショナルとは、専門性を「開発する」か「活用する」か、という軸と、対象エリアが「グローバル」か「ローカル」かという軸の掛け合わせからなります。

ここでは専門性開発型人材をテクノロジスト、専門性活用型人材のことをプロデューサーと名付けています。プロデューサー、テクノロジストを簡単に説明すると、次のようになります。

・プロデューサー
広範な知識と経験に基づく調整力にたけたゼネラリスト以上に、社内外のさまざまな人々を結びつけて収益を生み出す力を有している人材

・テクノロジスト
限られた職域で定型的な業務に注力するスペシャリストよりも、さらに専門性が高く、仕事に必要なテクノロジーを使いこなすことができる人材

プロデューサーは、複数の専門領域に精通し、テクノロジストの力を借りて、新しい価値やビジネスモデルを生み出す人材です。彼らは自身のアイデアをコンセプトにするために、グローバルにもローカルにも、幅広く活躍の場を求めます。その活躍が、経済全体を活性化させて、所得増加をもたらすと説明されています。

また、プロデューサーは事業目的のために、資金調達、事業投資、人材投資など、組織能力を最大化して、経営資源を効率的に活用し、その成果を「組織知」化していく人材だそうです。かなりダイナミックですね。

一方で、テクノロジストは特定の専門性を狭く深く持った高度な専門職で、テクノロジーを生み出し活用して、仕事の付加価値を高める人たちを指しています。

新しいソフトウエア、プログラミング言語を開発するイノベーター、定型業務を自動化し、経営上の意思決定などの非定型業務を迅速に執行できる事務専門職、テクノロジーを自在に駆使できる現業職、感情の機微に臨機応変に対応して目の前の人を幸せにする対人サービス職のように、これまでのスペシャリストの概念を大きく超えて、高度に専門化した知識・スキルを有した人たちです。

今後もしプロデューサーにもテクノロジストにもならないとすると、従来型のゼネラリスト、スペシャリストというカテゴリーのまま過ごすことになり、相対的に市場価値が低減していくリスクがあるということになります。

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