末続慎吾さん 39歳になっても10秒台で走れた理由元五輪陸上メダリストに聞く(下)

日経Gooday

お菓子が食べたくなるのはストレスがたまっているから

――年齢を経ても走れる体を維持するために、意識している健康法があれば教えてください。

食事はできるだけ1人で食べないこと。1人で食べると、動物の餌のようになるんですよ。できるだけ人と会話しながら楽しい食生活を送ることで、気持ちもリラックスします。

体重や体脂肪をコントロールするために食事を管理するアスリートは多いですが、カロリーを気にしすぎて「これを食べるのはいけない」と管理するほど、太ったり、調子を落としたり、ひどくなると摂食障害になったりするケースがあります。我慢のしすぎはストレスになる。管理をやめた途端、肌つやや調子が良くなる場合が多いように思います。

何事もそうですがやりすぎは良くないので、食べたいものからしっかり選んで食べる。ストレスをかけず、ほどほどの管理を探るために、さまざまな食事を摂って自分の体がどうなるかを試すことが大事になります。

僕自身、甘いものも好きだし、たまにお菓子も食べます。でも、食べたとしてもポテトチップスの1袋分を全部食べない。それはなぜかと考えると、お菓子を食べたいときは、純粋に食べたいというより、ストレスがたまっているときなんです。お酒を飲みたくなるときも同じ。ストレスがたまっているから飲みたくなる。それが分かってから、お菓子を食べたり、お酒を飲んだりする代わりにスポーツで発散しようと思えてきました。すると、自然に体重は減っていくし、ストレスも発散できていいことずくめです。

「お菓子やお酒の代わりにスポーツで発散すれば、いいことずくめです」

今年、40代に突入しましたが、体形は20代のときとさほど変わりません。肉が大好きで、炭水化物よりもたんぱく質を多く摂っていたり、食生活がシンプルだったりするからかもしれません。例えば、朝食は至って普通で、卵、ウインナー、トマトとキャベツ。そしてお米があまり得意ではないので、代わりに餅を食べる。これが定番になっています。

あとは、おなかが出て太った体形になる自分を想像しません。鏡の前で全身を見ないし、毎日体重を計測することもしない。毎日体重計を見てため息をついている人がいるけれど、がっかりしてストレスになるぐらいなら、体重計に乗るのは2カ月に1回ぐらいにして、ストレスを極力なくすような食生活を送ることが大事ではないかと思います。

――睡眠で意識していることは?

眠いときは寝倒すことでしょうか(笑)。まだ体が育っているのか、10時間ほど寝ないと調子が上がりません。7、8時間だと眠たくて…。夜は10時ぐらいに寝て、昼頃まで起きないときもあって、眠りが深いように思います。仕事で体を動かしていることもありますが、考えごとをしたり、走りをイメージしたりする時間も多いので、脳を休ませようという体になっているのかもしれません。

――今後の活動は?

プロアスリートとして、可能な限り日本選手権やマスターズ大会にも挑戦しますし、僕の経験や哲学を伝え、表現していきたいですね。100歳になって、マスターズ大会で世界記録を更新するのもいいかもしれません。

(ライター 高島三幸、写真 厚地健太郎)

[日経Gooday2020年5月19日付記事を再構成]

末続慎吾さん
元五輪陸上メダリスト、陸上短距離プロアスリート。1980年熊本県生まれ。2003年世界陸上パリ大会200mで3位(日本短距離界史上初のメダル)。2008年北京五輪4x100mリレーで銅メダリストに(その後、優勝したジャマイカのドーピングによる失格により、銀メダル獲得に)。2015年プロ陸上選手として独立。現役アスリートとして走りながら、自身が主宰するEAGLERUNのメンバーとして、陸上競技の指導やスポーツイベントの参加など活動は多岐にわたる。

医療・健康に関する確かな情報をお届けする有料会員制WEBマガジン!

『日経Gooday』(日本経済新聞社、日経BP社)は、医療・健康に関する確かな情報を「WEBマガジン」でお届けするほか、電話1本で体の不安にお答えする「電話相談24」や信頼できる名医・専門家をご紹介するサービス「ベストドクターズ(R)」も提供。無料でお読みいただける記事やコラムもたくさんご用意しております!ぜひ、お気軽にサイトにお越しください。


ウェルエイジング 健康で豊かな人生のヒント
注目記事
ウェルエイジング 健康で豊かな人生のヒント