ひたすらに爽やかさを求めるのが、オフ白の本懐ではない。むしろ軽さを控え、品の良さと落ち着きを重視したい。その点、ブラウンとの組み合わせは、まさしく理想的。今回、クールビズにおける配色の黄金比が判明した。
爽やかなだけじゃなく、上品で余裕を感じさせる。オフ白のそんな魅力を、ジャケットやパンツでなら一層楽しめる。だが、取り入れ方には工夫が必要。留意すべきは、ぼやけた印象にしないこと。ニュアンスカラーのオフ白を着こなす際の課題だが、その秘訣はブラウンとの組み合わせテクニックにある。
今や、ビジネスにおいても第3の定番色ともいえるブラウン。同じ暖色系であるオフ白と好相性なのは、言うに及ばずだ。その配色の理想は5対5。それよりオフ白の割合が多いとぼやけてしまい、ブラウンの割合が多いと重たく見えがち。トップスをオフ白にする場合は、ボトムのブラウンの割合が多くなるので、重さを回避するためにシャツではブラウンを一歩控えたいところ。ボトムがオフ白の時はジャケットのブラウンをドライな風合いにすると夏顔になる。
ジャケットがオフ白なら パンツをダークブラウンに
リネンにシルクを混紡したヘリンボーンの生地のジャケット。白いリネンシャツが、オフ白のナチュラル感を際立たせる。ブラウンのパンツは、そんなトップスを引き締める役目。だが、リネン×コットンで、決して重たさは感じさせない。ローファーも、その要因に。
■BELVEST(ベルヴェスト)
軽やかさが人気のジャケット イン ザ ボックス。アンコンながら美しい肩周りを、ダブルでも披露する。素材はリネンとカナパ。シャリ感を強めながら柔らかさを伴う生地は、芯地を極力省く仕立てと相まって、リゾートムード滲む着心地だ。 20万6000円(八木通商)
■RING JACKET(リング ヂャケット)
素材はアイリッシュリネン。色みと表面感こそ軽快だが、しっかりとしたハリがある。アイロンでクセ付けした襟やハンドによるステッチワークなど、ビスポーク並みの丁寧な作り込みも、上質さを匂わせる。 16万円(リングヂャケットマイスター206 青山店)