政府が緊急事態宣言を発令して以来、ずっと出口の見えないコロナ禍に対して、独自の「大阪モデル」を提案していち早く実施。大阪城、通天閣、太陽の塔といった大阪のランドマークを、解除基準を満たせば緑色、基準値を超えたら黄色、各指標の数値が2倍に達したら赤色にライトアップして、コロナ禍の状況を“見える化”したアイデアなど、吉村知事のその行動力は、いつも見ていてスカッとさせてくれる。

紺のジャンパー、トレードマークに
プロンプターに映し出された作文を棒読みするどこぞの国のリーダーと違って、誠意のある自分の言葉でしっかりと信念を語る記者会見も、大阪府民から絶大な人気と信頼を得ているのだ。
行動力だけではない。あのイケメンなフェイスも吉村知事の支持率を押し上げる人気の理由だ。さらに、記者会見やテレビに出演する時の格好も人気の理由なのだ。
吉村知事は、いつも胸に「EXPO 2025」と書かれた2025年大阪万博のロゴが入っている紺色の作業衣ジャンパーを着ている。
作業衣姿で災害地に赴くというパフォーマンスは、政治家がイメージアップのためにやる戦略としてよく使う手だが、こと吉村知事に限っていえば、そんなセコい考えは一切ないだろう。
関西のテレビ番組に出演した時にこう語っていた。
「いつも作業着です。(コロナ危機の)前から着てました」「昨年の夏はポロシャツにマークを入れたものがあって、それを着ていました」「万博の宣伝ではなくて、スーツが嫌いなんです」
司会の辛坊治郎氏が「もともと、ファッションセンスが基本的にない人なので」と紹介すると、吉村知事もうなずいて、会場を爆笑させたそうだ。
いやいや、筆者に言わせれば、むしろスーツではなく作業衣だからこそ、いつでもすぐに現場に駆けつけるというリーダーとしての気概が語らずとも伝わってくるし、トップとして常に最前線に立って指揮をとっているという姿勢が伝わってくるではありませんか。

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