コロナで収入減 家計の危機は給付金や手当でしのぐ人生100年時代のキャリアとワークスタイル

2020/5/18
新型コロナで減少した収入を補う給付金や手当を理解する(写真はイメージ=PIXTA)

新型コロナウイルス感染症拡大によって、私たちの暮らしは大きく変わりました。勤務先の休業による手取り額の減少や受注減、失業など、家計への影響は膨らむばかり。生活に困ったときに備えて、公的な給付金支援策について確認しておきましょう。各種休業手当のほか、子どもの世話を行うために契約した仕事ができなくなった場合の「小学校休業等対応支援金」や新型コロナで収入が減少したフリーランスなど個人事業者が受け取ることができる「持続化給付金」についても人事労務コンサルタントで社会保険労務士の佐佐木由美子氏が解説します。

10万円の給付金がようやくスタート

国民から注目されていた給付金。当初は生活に困っている世帯に対して30万円を給付する話が出ていましたが、その対象者をめぐり議論百出。批判も相次ぎ、結果として迅速かつ的確に家計への支援を行うため、1人当たり10万円の「特別定額給付金」が支給されることになりました。

一部の自治体ではすでに給付が始まっていますが、人口が多い自治体では6月以降にずれ込む見込みです。対象者は、2020年4月27日時点で住民基本台帳に記録されていた人で、外国人も受け取れます。ただし、海外駐在などで住民票が日本になければ、日本人でも受け取ることはできません。

申請方法は、世帯主が家族分をまとめてオンラインまたは郵送で行います。郵送申請の場合は、各自治体における受け付け開始日から3カ月以内が受付期限。オンライン申請の場合、マイナンバーカードがあることに加えて、暗証番号(パスワード)が必要となりますが、これを忘れてしまったときは、パスワードの再設定を行わなければならず、そのために自治体の窓口が混み合っているところもある、という何とも皮肉な状況となっています。

会社判断の休業には「休業手当」が出る

新型コロナウイルスによって、仕事が休みになってしまった方は大勢いるのではないでしょうか。会社の判断で休業することになった場合、法律では労働者に「休業手当」を支払うことが義務付けられています。アルバイトやパートタイマーも当然対象となります。最近よく耳にするのは、こうした休業手当が支払われないということ。特に、非正規労働者に対して未払いとなっているケースが多いようで、深刻な問題です。

「緊急事態宣言による協力依頼や要請などを受けて営業を自粛するのは、会社のせいではない(=だから休業手当は支払わない、支払えない)」という声もあります。しかし、こうした場合でも一律に休業手当の支払い義務がなくなるものではありません。

労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。

不可抗力による休業の場合は、使用者に休業手当の支払義務はありませんが、不可抗力による休業と言えるためには、(1)その原因が事業の外部より発生した事故であること(2)事業主が通常の経営者としての最大の注意を尽くしてもなお避けることができない事故であること、のいずれも満たす必要があります。たとえば、在宅勤務の検討や他にできる業務を行ってもらうなど、使用者として休業を回避するために具体的努力を最大限に尽くしたかどうかが判断要素となります。

休業手当は、仕事を休んだ日について平均賃金の6割以上と定められていますが、会社によって全額補償されることもあります。平均賃金の計算方法は、休業日以前(直前の給与締め切り日から遡って)3カ月間に支払われた給与の総額をその期間の歴日数(総日数)で除した金額。その6割以上が休業手当となります(時給制などのパートタイマーは最低保障あり)。

なお、一時的に勤務先が休業となって仕事を失った場合は、「失業手当」を支払う特例措置の検討が進められています。東日本大震災の際には、実際に労働者が離職していなくても「みなし失業」として特例措置が実施されました。本来であれば、休業手当が支払われるべきですが、対応の遅れが見られる状況の中、労働者に直接支給されるみなし失業手当へのニーズは高まっています。

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仕事を失ったときに申請できる「失業手当」