子どもとつながる コロナ休校乗り切る英国家庭の知恵

日経DUAL

一番ホットな話題は「学費闘争」

小2の娘(6歳)には、学校が郵送してくれる「ワークパック」が2週間ごとに届きます。紙と鉛筆で取り組み、できた課題プリントを毎日撮影して先生にメールしています。先生が毎朝アップロードしてくれる映像授業やファイル、音読の確認、先生やクラスメートとの交流などはマイクロソフトのTeamsというアプリを使って行われます。

ちなみに、今英国のパブリックスクール(私立学校)の一番ホットな話題は「学費闘争」。子どもたちが通う学校でもオンラインになる来学期の学費が10%しか割引されなかったことに憤慨した保護者の有志たちが学校側に抗議。交渉の結果、低学年50%、中学年からは20%の学費割引率の引き上げで決着するということが最近ありました。私もさすがに全額請求はフェアじゃないと感じて保護者の抗議グループに参加した一人ですが、学校に建設的に意見する保護者が多いことに感心しました。同時に、やり取りの中で触れた、ほかの保護者の教育へのビジョンの確かさに深く心を動かされました。

教えたいのは「レジリエンス」と「優しさ」

今後いつどのように規制が解除されていくかは不透明ですが、子どもの学校の再開は夏休み明けの9月だろうとの予想もあり、家庭で学習する「ホームスクーリング」はしばらく続くと思われます。この期間に学力の差が出るとの懸念が出ている一方で、この前代未聞の期間にアカデミックな側面を心配するよりも、「生きる力」や「レジリエンス」(折れない心)を子どもたちに伝えるほうが大切ではないかといった意見も出ています。

正解はそれぞれの親が探していくことですが、普段は学校や習い事で忙しく、料理や洗濯といったお手伝いをする時間さえない子どもたちが「生活を学ぶ」機会になっていることは確か。家族のつながりはもちろん、きょうだい間の絆を築く機会にもなっています。一番近い人に優しい気持ちで接する大切さも日々学んでいる気がします。「子どもたちに本当に伝えたいことは何か?」、立ち止まって見直す機会になりそうです。

子育てとリモートワークの両立には「ワンオペ戦略」

子どもが家に居ながら親が在宅で仕事をするのは、本当に大変だと実感しています。わが家の場合、「どちらかの親が子ども担当、もう一方の親が仕事時間」と分担して平和的に仕事時間を確保。それに加えて、きょうだい間で機嫌よく遊んでいる間を見はからったり、子どもが友達とアプリで話しているスキマ時間や早朝や子どもが寝てからの時間を使ったりしながら、「だましだまし」何とかやっている、というのが正直なところです。

こんなしんどい状況のなかでせめてよかったことが、今までになく兄と妹が一緒に遊ぶ時間ができたこと。洗濯バサミとシーツで作るおうちキャンプ。最近のわが家の流行です!

数日に1回はしんどい思いが膨らむこともあるのですが、とにかく毎日を淡々と、小さいありがとうを大切に、と思って臨んでいます。始めに紹介した宇宙飛行士のインタビューのなかでは「やる気がうせるのは当たり前と思え」という趣旨の話も紹介されていましたが、制限ある生活が長引くにつれその言葉に助けられています。

ボッティング大田朋子
ライター。英国在住。光村図書出版の小学校英語教科書『Here We Go!』制作参加、『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ビックリ!!世界の小学生』(角川つばさ文庫)、『大好きに会いに行こう! 世界のお祭り&イベントガイド』(サンクチュアリ出版)など執筆協力多数。『世界を拠点にした生き方・子育て』ブログ。海外書き人クラブ会員

[日経DUAL 2020年4月27日付の掲載記事を基に再構成]

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