商社の組合も改革中 就活で考えたい「働き方の変化」通年採用時代の就活のトリセツ(6)

2020/5/7

学生時代に習慣化の機会を

――キャリア形成について様々な知見を持つ皆さんから見て、学生時代にやっておいた方がいいと思うことはありますか?

葛西 まずは習慣を身に着けることです。「学びから得た気づきを習慣として定着させなければ、成果には結びつかない。」と元副社長に言われたことがあります。学生時代は、リポート、試験、論文にしろ、ある程度一時的な頑張りで乗り切れた部分もあると思います。それに対して、社会人は超長期戦なので、短距離走の考えだと息切れするし、伸び悩むものです。社会人になるまでに、何か新しい習慣を身に着け、「習慣を変えられる」ようにしておくといいスタートが切れるのではないかと思います。

もう一つは決断の機会を増やすこと。仕事とは、意見の分かれる課題に対して「意思決定」を行うことです。「意思決定」のスピードと精度を高めていくと、任される規模と数が増し、いいサイクルに入ります。「意思決定」はとにかく場数なので、どんな小さなプロジェクトでもいいので、企画のリーダーから飲み会の幹事まで、意思決定の機会をどん欲に得て、周囲をうまく巻き込む練習を重ねておくと良いのではないかと思います。

「学生時代にしか増やせない『点』がある」と話す高橋さん

高橋 私の学生時代は、省エネで単位を取得して卒業することしか考えておらず、必要最小限の授業しか取っていませんでした。しかし社会人になり、「学習」する時間が減ってから当時のシラバスを見てみるとおもしろそうな授業がたくさんありました。

スティーブ・ジョブズの”Connecting dots”という言葉は有名ですが、就活や卒業と直結しなくても、学生のうちに「点」をひとつでも増やしてください。社会人になっても「点」は増やせますが、学生時代にしか増やせない「点」も多いのです。時間は有限です。学生時代の豊かな時間を存分に使って、色々な世界に足を運んでみてください。

◇  ◇  ◇

これから就活に向き合う皆さんの中には、「社会人として働くこととは、与えられた業務をこなすことだ」というようなイメージを抱いている人も少なくないですよね。太田さん、葛西さん、高橋さんに、そのような働き方は、みられません。自ら考え、同僚と協力しながら、目の前の職場環境や働き方そのものをより良くつくり変えていこうと取り組まれているのです。

葛西さん、高橋さんは、この4月から社会人大学院生として、研究活動にも取り組んでいるそうです。働きながら、学びを深める先輩たちです。これから就活に向き合う皆さんも、自ら主体的に働いていく姿を常に頭に思い浮かべておいてください。

田中研之輔
1976年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程を経て、メルボルン大学、カリフォルニア大学バークレー校で客員研究員をつとめる。2008年に帰国し、法政大学キャリアデザイン学部教授。大学と企業をつなぐ連携プロジェクトを数多く手がける。企業の取締役、社外顧問を14社歴任。著書に『プロティアン―70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』(日経BP社)など。
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