2020/4/23

現実逃避に掃除をするのを防ぐには?

とはいえ、「種まき」(緊急ではないけれど重要なこと)は、取りかかるのにおっくうですよね。大事だと分かっているのになかなか手をつけられず、つい普段はしない掃除や料理、ネットサーフィン、メール整理をして現実逃避してしまうことは誰でもあるでしょう。現実逃避してしまうのは、何を、どこから、どうするかが曖昧になっているからです。すべきことをさらに細かく分解し、あとは取りかかるだけでOKの状態にしておけば、モヤモヤしたまま作業を後まわしにすることを防ぐことができます。

具体的には、次の3つのステップで、「種まき」をタスク化してみてください。

1.頭に浮かんだきょうのタスクを洗いざらい頭の外に出し切る
2.緊急ではないけれど重要な「種まき」(赤)を見極める
3.「種まき」案件を細かい粒(要素)に分け、すぐに取りかかれる状態にする
※定例ミーティングなどはテレビ会議で

色分けでの優先順位付けに慣れてくれば、上記の図のようにタスクを4色に分けられるようになります。最初のうちは「種まきの赤」をひとつ見つけるだけで十分です。

「種まき」案件を細かい粒に分ける理由は、何を具体的にどうすれば達成できたかを可視化するためです。緊急事態宣言が出ている今のように、先が見えない状態で一番大切なのは「自分が動くことで前に進んでいる」実感がもてるかどうかです。タスクをすぐに実行可能な状態にまで分解することで、「頑張っているのに自分は何もできない」という無力感からも解放されます。

このようにして、一番時間がかかるので後まわしにしがちだけれど、実は人生において最も重要な「種まき案件の見極め」と「仕分け」をモーニングルーティンとして定着させましょう。朝イチのルーティンが済めば、あとはそれを粛々と迷いなくすすめるだけです。人生において最も重要な「種まきの赤」に朝いちばんにとりかかることができた!と思えば自己肯定感も高まります。

■今回のまとめ
・他の人に決められたスケジュールに沿って動くことで生産性を上げていた時代は新型コロナとともに終了する
・このタイミングは「意志」や「やる気」に依存しない「パフォーマンス最大化」の仕組み作りをするチャンス
・日々繰り返すことで自動的に物事が進むようなタスクリストを「モーニングルーティン」として朝イチで作ろう
・具体的には4色ボールペンで緊急×重要の軸でタスクを色分けし、緊急でない×重要な「種まきの赤」をやりきることを意識しよう
・「種まきの赤」は、すぐにとりかかりやすいよう細かい「粒」に分解しよう

現在、新型コロナウイルスによる不安や閉塞感に世界中が支配されていますが、先が見えなくても、必ず朝は来ます。リモートワークや慣れない負担、やりたいことがやれないストレス、人生設計や働き方の見直しでペースが乱れがちな今こそ、1日のはじまりである朝時間のリズムを維持し、心身を整え、新たなスタートを切る土台作りが大切です。この方法で少しでも心理的負担が軽くなれば幸いです。

「朝1時間」ですべてが変わる モーニングルーティン

著者 : 池田 千恵 (著)
出版 : 日本実業出版社
価格 : ¥1,650(税込み)
※詳しいタスク分けの方法も解説


池田千恵
朝6時 代表取締役。朝イチ業務改善コンサルタント。慶応義塾大学卒業。外食企業、外資系企業を経て現職。企業の朝イチ仕事改善、生産性向上の仕組みを構築しているほか、個人に向けては朝活でキャリア迷子から抜け出すためのコミュニティー「朝キャリ」(https://ikedachie.com/course/salon/)を主宰。10年連続プロデュースの「朝活手帳」など著書多数。