19世紀の英国からフランスへと広がったダンディズムとは、表面的なおしゃれとは異なる、洗練された身だしなみや教養、生活様式へのこだわりを表します。服飾評論家、出石尚三氏が、著名人の奥深いダンディズムについて考察します。
新型コロナウイルスの感染が世界に広がるなか、ガル・ガドットら20人以上のスターがジョン・レノンの「Imagine」を歌い継ぐ映像が公開され、話題となりました。
いち早くはいた「リバプール・ジーンズ」
1940年生まれのジョン・レノンが凶弾に倒れたのが80年。2020年はジョンの生誕80年目と没後40年という節目にあたります。
ジョン・レノンとは何者だったのか。ロックに芸術を吹きこんだ男。あるいは、ロックをアートに高めた男。そんなふうに表現できるのではないでしょうか。
ジョンは第2次世界大戦のさなか、ドイツ軍の激しい空襲に見舞われていた英リバプールに生まれました。少年期は絵を描くのに巧みであったと伝えられていますが、それとならんで着るものに凝る癖もあったと言われています。
たとえば、ジョンははやくから「リバプール・ジーンズ」をはいていました。リバプール・ジーンズとは、米国製のブルー・ジーンズをまねた、英国製の黒いジーンズのことを指します。リバプールは今も昔も外国船が頻繁に出入りする港町。海外の流行がいち早く入ってくる場所でもあったのです。

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