今は増やしたいなんて…氷河期世代「社内で不足」3割

氷河期世代に限定した採用を始めた企業の担当者に話を聞いた。

山九(総合物流)
人事部長 青山勝巳氏

受注増に加え、働き方改革で、現場での人手不足が続いています。新卒、中途合わせて年間1000人を採用してきましたが、ここ最近は新卒の獲得が厳しくなっています。採用で年齢制限を設けることは法律で禁じられていますが、氷河期世代に限ってこれを認める政府の支援策が始まることを知り、新たな採用手法になると考えました。

19年9月から取り組みを始め、20年1月末までに71人の応募があり、うち11人を採用しました。想定よりも少ないですが、徐々に認知度も高まり、これまで接点がなかった人材に興味を持ってもらえることが増えたと感じています。今後は、転職サイトや転職フェアなどを通じて露出を増やすと同時に、未経験者でも可能な仕事であることも説明して、採用に弾みをつけたいです。

パソナグループ(人材サービス大手)
HR・アドミ本部長補佐 山本哲史氏

当社は19年12月、氷河期世代を中心に300人を正社員として採用する方針を発表しました。20年1月に東京と大阪で説明会を開いて募集を始めたところ、これまでに約400人の応募があり、すでに20人以上に内定を出しました。応募者のうち、非正規雇用は6割、正社員が4割ほどで、仕事に就いている人からの応募が想定よりも多いです。

募集しているのは主にグループ会社が淡路島で手がける地方創生事業の人材です。観光施設の運営や営業、商品企画、農業、人事・経理・総務といった仕事に就いてもらいます。応募は当初予想したよりやや少ない印象ですが、「正社員」かつ「新しい土地での地方創生の仕事」ということに魅力を感じ、興味を持つ人もいます。今後は地方でも説明会を開き、2021年春までの計画達成を目指します。

豊田義博 リクルートワークス研究所 特任研究員の話
政府が氷河期世代向けに支援策を打ち出したこと自体は評価できます。この世代はこれまで苦労を重ねた経験から「自分は転職できない」「仕事につけない」と思い込みがちな人も少なくないので、個別のカウンセリングで本人の可能性を上手に引き出してあげる必要があるでしょう。きめ細かいケアを提供するインフラをいかに構築するかが課題といえます。

(日経キャリアNET編集チーム 今井恭子、宮下奈緒子)

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