「食費」上手の1週間買い物テク 月1万円の節約も

家計全体で出費が増えるなか、食費を減らしたい人も多いのでは? とはいえ、安いスーパーをはしごするなど、頑張りすぎる節約は長く続かず、効果も薄い……。そこで提案したいのが、食材の買い方を見直す方法。仕事の忙しさ、自炊できる頻度、家族構成などで、1週間の食材の買い方は変わります。ムダ買いを防げば、食費が月1万円ダウンする人も。早速、買い物テクをチェック!
自分のライフスタイルに合わせてベストな買い方を
物価も上昇している今、家計がキツいとため息をつく前に、食費を見直すべきと話すのは、節約アドバイザーの丸山晴美さん。「ケチケチしなくても、食べずに捨ててしまう食材のムダをなくせば、月に数千円は簡単にダウン。食費節約は今すぐ取り組めて即効性も高いので、最も手っ取り早い増税対策といえます」。
食材を使い切るには、在庫管理をし、自炊を増やすなどの習慣化が大切。以下の7つのルールを参考に、現状のムダを見直してみよう。その上で、自分がムダなく使い切れる食材の購入パターンを定着させたい。
「例えば、残業や出張が多い人は、まとめ買いは不向き。作り置きや節約メニューを頑張る前に、自分のライフスタイルに合う買い方を取り入れて」。そこで編集部では、忙しさや調理スキル別に、ベストな買い物パターンを丸山さんと考案。早速、チェックして!

まずはここから! 食費を無理なく抑える基本ルール
●食費の予算を決めて、財布を分ける
食費をだらだら増やさないためには、予算を決めることが第一。「食費専用財布を作る、電子マネーに予算分だけチャージする、週予算を決めるなど、"あといくら使えるか"を、分かりやすく見える化しましょう」(丸山さん)。
1人当たりの食費の目安はざっくり月2万円
(外食費込み・米代を除く)
●冷蔵庫を整理し、入っているものを見える化
冷蔵庫がごちゃごちゃだと、ダブり買いや消費期限切れのムダを生む温床に。「奥まで見渡せるよう整理し、キープして。扉に食材購入時のレシートを貼り、使った食材を消していくと、使い忘れ防止になります」。
●おうちごはん&お弁当の機会を増やす
「疲れたから」「面倒だから」と外食や総菜に頼っていたら、いくら食費を節約しても意味がない。ご飯は炊いておく、ランチ用におにぎりを持っていくなど、できる範囲で自炊を増やそう。
●1週間に1度は冷蔵庫をカラにする
安く買っても、使い切れなければムダ。食品ロスをなくすために、冷蔵庫は最低でも週に1度はカラにして。「汁物や炒め物など、どんな具材でもできるメニューを増やし、無理なく消費を」。
●レジャー感覚で大きなスーパーに行かない
休日に家族で買い物に行くと、予定にない酒や嗜好品を買ってしまいがち。「休日は"せっかく来たし""車だし"と気も緩む。冷静な判断のために、買い物はひとりで、がベスト」。
●レシピは冷蔵庫にある「食材」で検索
レシピ通りに食材や調味料をそろえると、食材が余る原因に。「家にある食材からレシピを検索すれば、何かしらヒット。足りないものだけ購入すれば、出費も最小限に」。
●「半額」「2つで○○円」など特売品に飛びつかない
食材は、食べ切れる量だけ買うのが最もムダがない。「単価が安いセット売りや、閉店間際の特売品などは、消費期限内に食べ切れるかを冷静に考えてから購入しましょう」。
食材を効率良く買って使い切る! まとめ買いor都度買い大作戦
仕事の忙しさ×料理の得意度×面倒くさがり度でパターン分け!あなたにピッタリ合う買い方はどれ? 自分の生活スタイルや性格をチェックして、効率のいい食材の買い方&使い切りテクを取り入れて。
【これでもっとお得に】キャッシュレスでお得に支払い
スマホ決済やカード払いはポイント還元、キャッシュバックのサービスが豊富。「食材の値段が上がっている今、お得なキャンペーンは利用しないと損! 使いすぎが怖い人は、決めた金額のみチャージして使えるサービスを選ぶといいでしょう」。
【これでムダ買いゼロに】宅配サービスより、ネットスーパーがおすすめ
生協など、食材が届くのが注文してから1週間後の宅配サービスは、急な予定変更に対応しづらい。「注文分を忘れて、お店でダブり買いするなどのムダも。上手に使いこなせないなら、ネットスーパーがグッド。当日か翌日には配達してくれるので便利です」。
タイプ別・ベストな食材の買い方は?
生活が規則的×マメな性格なら「週1まとめ買い」

食材を買う日&定番食材のルーティンをつくれば最強!
平日の帰宅時間がほぼ一定で規則的、料理も苦にならず計画的な人は、休日に1週間分の食材をまとめ買いし、計画的に食べ切るスタイルが効率的。使いやすい定番食材や、1回で買う量を自分なりにつかんで。
<週1まとめ買い成功のコツ>
【1回当たりの買い物金額を設定しておく】
まとめ買いの予算を決めると、1カ月の出費ペースが安定。最初は緩めに設定し、徐々に調整を。
【定番で買う食材リストを作る】
自分が使いやすい食材をリストアップ。肉、魚、野菜、加工品をそれぞれどのぐらい買うか、目安も決めて。
【作り置きおかずも少量からスタート】
作り置きおかずは、大量に作りすぎると飽きて食べ切れず続かない。「簡単なものを少量から」が基本。
【食材の保存テクニックをマスターする】
買った食材は1週間腐らせず、使い切ることが重要。冷蔵&冷凍保存テクを身に付けよう。
【買い物は基本的にひとりで行く】
家族で買い物に行くと余計なモノを買いがちなので、ひとりで行くのがベスト。ネットスーパーを利用する手も。
生活が規則的×面倒くさがり屋は「3~4日に1度のまとめ買い」

買い物に行く回数を減らしつつ、在庫を見ながら買う量を調整
週1のまとめ買いではムダが出る、おかずの作り置きは面倒という人は、まとめ買いのスパンを短くしてみて。2~3日分なら、予定を見ながら買い物を調整でき、使い切れる量も見通しやすいはず。
<3~4日に1度のまとめ買い成功のコツ>
【週2回を目安に、買い物をする曜日を決める】
週末+残業が少ない曜日など、買い物する日をパターン化。自分が食材を使い切りやすい日数で区切ってみよう。
【ざっくりでも、2~3日分の献立をイメージ】
面倒くさくても、次の買い物までの2~3日分の献立はざっくりでも決めておくと、ムダな買い物を防げる。
【野菜などの生鮮食品は極力少量で購入】
生鮮食品は、次の買い物までに使い切れる量が目安。多少割高でも、カット野菜などは積極的に活用してOK。
【肉や魚が余ったら小分けにしてすぐ冷凍】
予定変更などで自炊できないときは冷凍するか、火を通して保存。その分、次の買い物の量を減らして調整する。
【お助け食材をストックしておく】
予定した日に買い物に行けず、食材が何もない状態になると外食に逃げがち。乾物や冷凍食材などはストックを。
生活が不規則or料理が苦手な人は「都度買い」

毎晩、家でごはんを食べない人はその都度、必要量のみ買うとOK
ランチは外食、夜も残業や予定が多いなど、自炊がそもそも少ない人は、割り切ってそのとき食べ切れる分だけ買うのがベスト。ミールキットやカット野菜を利用するなど、1食分の食材だけを買うのもあり。
<都度買い成功のコツ>
【そのときに食べ切れる量のみを買う】
スーパーを"My冷蔵庫"と考え、食材の買いだめはせず、そのとき食べ切れる量を購入。ミニサイズの総菜もグッド。
【ご飯やパン、乾麺などの主食を常備】
ご飯やパンは冷凍保存、パスタやうどんなどの乾麺も常備しておくと、都度買いする食材が減り、節約になる。
【レトルトや冷凍食材も上手に活用】
料理が苦手だと、たまの自炊も面倒になりがち。食材をイチから用意するのが大変なら、半調理品に頼るのも手。
【外食よりミールキットが断然お得!】
ミールキットは1食×人数分の食材や調味料がセットになっており、調理もラク。どこで買えるかチェックを。
【あえて何も買わない、在庫整理デーを】
冷凍食品やレトルトといった食材は、どうしてもストックがたまりがち。月に1度は在庫を使い切る日を設定。
この人に聞きました

(取材・文 大上ミカ)
[日経ウーマン 2019年11月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。