「目の前の仕事を着実に形に」が大前提

本筋で展開される畳み人ならではの仕事術は、こうした自らの経験を通して学び成長してきたことのエッセンスとなる。プロジェクトリーダーたる「広げ人」との関係性、「畳み人」の仕事を機能させるチームづくりやチームマネジメント術、そうした仕事術全体の基礎を形づくるコミュニケーションとタイムマネジメントのスキル……。披露されるスキルは多岐にわたるが、その大前提は「目の前にある仕事を着実に形にしていくこと」「ビジネスの基本をしっかりと固め、自分の力で仕事を実行する力をつけること」だと説く。普通の会社員の手の届くところにある「本当にやりたいことができるようになる働き方」が畳み人という働き方だというのだ。

「以前、先輩社員に自分が知らないキーワードがある本がビジネス書の売れ筋になりやすいと言われたことがある。この本もそんなにおいのする本かも」。6日に住宅街の店舗から異動してきたばかりの同店店舗リーダー、河又美予さんはそう話す。キャリアを考える上で「畳み人」というキーワードは多くの人に響く言葉に育っていくかもしれない。

言葉めぐるビジネス書が上位に

それでは、先週のベスト5を見ておこう。

(1)みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史日経コンピュータほか著(日経BP)
(2)話すチカラ斎藤孝・安住紳一郎著(ダイヤモンド社)
(3)心をつかむ超言葉術阿部広太郎著(ダイヤモンド社)
(4)「畳み人」という選択設楽悠介著(プレジデント社)
(5)言語化力三浦崇宏著(SBクリエイティブ)

(リブロ汐留シオサイト店、2020年3月2~8日)

冒頭でも触れたとおり、1位は銀行のシステム統合の苦闘の歴史を追ったノンフィクション。金融業界にとどまらず多くの企業でデジタルトランスフォーメーションが課題となっている今、読み逃せない本になっている。2、3、5位に言葉やコミュニケーションをめぐる本が並んだ。国語学者と教え子の人気アナウンサーが話す力について語り合った本が2位、人気コピーライターが言葉に関わる仕事をしているすべての人に向けて書いた心をつかむ言葉のつくり方の本が3位、クリエイティブディレクターによる言葉の使い方の本が5位だ。今回紹介した仕事術の本は4位だった。

(水柿武志)

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