公的年金お得にもらう 受け取り遅らせるなら妻からいまさら聞けない大人のマネーレッスン

2020/3/17

繰り下げると受給額はアップする

公的年金は原則65歳から受給できますが、「繰り下げ受給」といって、66歳以降の希望する時点に受給開始を遅らせて、支給額を増やすことができます(※4)。受給開始を1カ月遅らせるごとに年金額は0.7%増え、70歳まで遅らせると42%の増額となります。

増額された年金は、一生涯増額されたまま。繰り下げ受給を選択して、できるだけ多くの年金を確保しておくのが、老後への手堅い対策なのです。

反対に「繰り上げ受給」といって、60歳以降の希望する時点に受給開始を早めることもできますが、支給額は減額されます。1カ月早めるごとに0.5%減額され、減額された年金は一生涯そのままです。平均寿命が延びつつある今、繰り上げ受給はあまりおすすめできません。

年金保険料を納めていない期間があれば、その分、年金は減額されてしまいます。会社員であれば、年金保険料はお給料から天引きされており、未納期間はないでしょう。ただ、転職などの際に、会社員でない期間があれば、その期間は自分で納める必要があります。注意して下さい。

もし免除や納付特例期間があれば、追納制度などを利用して保険料を納めることをおすすめします。

(※4)遺族年金、障害年金、厚生年金保険を受給している人は、繰り下げられない場合があります。

繰り下げ受給 特に女性が有利

では、具体的に何歳まで繰り下げるのがよいのでしょうか。

仮に、受給開始を66歳に繰り下げた場合、受取総額は77歳10カ月で65歳受給開始の受取総額と同額になります。70歳まで繰り下げると、65歳受給開始の受取総額と同額になるのは81歳10カ月。82歳以降の受け取りは繰り下げのメリットが続きます。

老後のお金はそれぞれ違うタイミングで受給を開始することができる

2018年の日本人の平均寿命は、女性が87.32歳、男性が81.25歳。男性の場合は70歳まで繰り下げても受取総額が増えるかは微妙ですが、女性は繰り下げ受給をするメリットがありそうです。長生きしても、増額された年金があるという安心感も生まれるでしょう。

また、老齢基礎年金と老齢厚生年金は、それぞれ違うタイミングで受給を開始することができます。よって、夫婦の場合は、妻の老齢基礎年金を優先して繰り下げるとよいでしょう。夫は、退職後の家計の様子をみながら、可能な範囲で繰り下げましょう。

ただし、夫の老齢厚生年金には、「加給年金」という年間約39万円の加算がつく場合があります(65歳未満の妻がいるなど条件あり)。厚生年金を繰り下げてしまうと、加給年金は受け取れません。対象となる人は、老齢厚生年金は65歳から受給開始、老齢基礎年金は繰り下げる方がよいでしょう。

できるだけ繰り下げるために今から準備を

当たり前ですが、公的年金を繰り下げている間は、年金は支給されません。企業年金・iDeCo・預貯金などの資産によって、繰り下げられる期間は異なるでしょう。

企業年金は、それぞれの企業によって異なります。勤め先の退職給付制度をチェックしておきましょう。確定給付年金の場合は、「いつ」「どれくらい」受け取れるか、ざっくりでも構いませんので把握しておきたいところです。

iDeCoは、公的年金に上乗せする形で、自分で運用する年金制度です。国が認めている「個人年金」ととらえると分かりやすいかもしれません。企業型確定拠出年金がある会社員は加入できない場合もありますが、多くの人が加入できる年金制度です。

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