京急本社1階はミュージアム 列車に触れて運転体験も南田裕介の変わる「鉄」を見にいく

沿線風景を再現した、長さ約12メートルの巨大ジオラマ

品川、川崎、三崎海岸…沿線や街、事業がわかるジオラマ

南田 圧巻ですねぇ。鉄道博物館にあるジオラマは一般的に、囲いになるガラスの箱の中に入っていますよね。それが「京急ジオラマ」は覆うものがない! メンテナンスや掃除が大変そう。

飯島 近づいて見ていただきたいんです。全長は12メートル、横3.5メートルあります。品川駅、京急蒲田駅、京急川崎駅、羽田空港と、沿線の主要エリアをピックアップして、ジオラマに配置しています。京急のバスが営業している鎌倉地域も入れました。鉄道以外の当社の事業も知ってもらうべく、当社の川崎市港町にある分譲マンション「リヴァリエ」3棟を再現していたりも。中央に位置しているのは、川崎大師に横浜。当社の本社ビルもあります。

南田 あ、横浜駅のホームには、実際にある「赤い電車自動販売機」が置かれている。細かいっ!(笑)」

平山 みなとみらいにあるカップヌードルミュージアム横浜、観覧車、パシフィコ横浜、赤レンガ倉庫もありますね。横浜の街を眺められて楽しい。

飯島 上大岡、金沢八景、19年3月に延伸して便利になったシーサイドラインも再現しています。三浦海岸から三崎口まで線路沿いには、今が見ごろの河津桜を再現しています。実際に河津桜の開花の連絡を受けてジオラマメーカーさんに植えてもらいました。四季で変化する沿線の風景は、これからどんどん反映していく予定です。何度来ていただいても発見があるように。

南田 これは久里浜工場ですよね? 車両点検をするエリアで車両のシートの交換作業をしているシーンを再現していますね。青いシートから赤いシートに交換中か。

飯島 それぞれの駅を走るバスの車号は、最寄りの営業所記号になっています。葉山の周辺だと逗子営業所のZ。上大岡は、能見台車庫のNです。「本物」を作り出しています。

平山 ジオラマの中を走る鉄道を運転する体験もできるのですね。ジオラマを見ながら走れる!

鉄道模型(HOゲージ)を本物の800形電車運転台で操作できる(有料)

南田 (座って運転してジオラマの車両が)動いた! (品川駅で)0キロポストの再現ですか?

飯島 はい、90周年の記念に品川駅線路内につくったものを再現しています。

南田 品川駅付近を走る(トミカの)車は品川ナンバーですよね。横浜駅に来ると横浜ナンバーになっています。

飯島 本社ビルの近くに置かれた小学校は、実際にこの裏にある「みなとみらい本町小学校」を再現しています。通っている小学生が放課後に遊びにくることもあるだろうし、自分たちの街に愛着を持ってもらえたらとジオラマメーカーさんが考えてくれました。

南田 一般的に鉄道博物館にあるジオラマは、「車両」がメインです。京都鉄道博物館のジオラマなら、JR、京阪、阪急……と京阪の主要鉄道会社の車両が集っています。一方で街のほうは京都タワーのようなシンボルさえあれば成立しています。京急さんのジオラマは、街を知る観点からも面白い。

飯島 沿線にお住まいの方は、知っている景色がどこかにあります。京急になじみのない方には、品川があり羽田があり、蒲田があり、三浦半島のような自然があると知っていただく機会になればうれしいです。

京急列車での運転体験が「初級・中級・上級」でできる

難易度が異なる「初級」「中級」「上級」のほか、子ども用の「入門コース」の4コースを用意。それぞれ違う区間を走行体験できる(有料)

飯島 実際に触れていただけるのが、「運転シミュレーション」のコーナーです。鉄道会社で働くわれわれ全員の責任を背負っているのが、運転士の仕事。私たちの根幹事業を体験してもらえるような臨場感、没入感にこだわっています。

平山 500円の体験料で、入門コース、初級コース、中級コース、上級コースがあるのですね。

飯島 入門コースは、自動列車停止装置(ATS)が完全に作動しているため、小さいお子さんが運転の雰囲気を味わうためのようなもの。中級コースでは、運転士自身で停止する必要があり、勾配やカーブがあり、制限速度や信号が変わり、通過駅があるなど難易度が一気に上がります。南田さんには、中級コースの「急行 金沢八景」を選んでみましょう。

南田 (警笛のペダル踏んで、ファーンと音が鳴る!)すげー!!

飯島 加速と停止は、手前のハンドルで運転します。右足のペダルが警笛、左のペダルが前照灯の上げ下げです。(運転する南田さんをサポートするように)次の駅は、能見台駅5キロ先です。この先に勾配差があります。速度制限で時速100キロメートルがかかっていますが、その先に時速85キロメートルの制限があります。坂道を上りきったところで、時速90キロ~95キロで下ってホームに入ってください。

本物の新1000形電車運転台で実写映像の運転シミュレーターを体験できる

南田 すごい、運転席から見える画面(映像)がクリアですね。小刻みな横揺れも臨場感ある! あれ? 速度制限時速85キロの表示は出ていましたか?

飯島 はい、トンネルを出てすぐにありました。減速してください。速度制限を手動で解除して……この先のカーブは速度制限時速100キロメートルですよ。

南田 (停車しようとして)停車位置より行き過ぎた……。

飯島 この先、速度制限が時速90キロ、その先に時速80キロがありますよ。

南田 難しい。制限速度や信号、表示が変わったりするから、多方面に同時に意識を向けておくのが忙しくて。いま、飛んでいる鳥が横切りました。風景の映像もリアルですね。

飯島 実車運転をして撮影し、映像をつないだものを流しています。運転席自体も本物そのもので、運転席の後ろの乗車シートの窓に流れる景色映像も実際に撮影したものです。

南田 中級コースでもレベルが高いですが、上級コースとなるとどう難易度がアップするのですか?

飯島 朝のラッシュ時、上りの特急列車という設定です。時間の厳しい制約があるなかでの運転ながら、制限速度を超過するとATSが作動して緊急停止してしまいます。時間と制限速度の制約の中で安全運転をしていただきます。上級コースでは運転後に得点で評価しますよ。

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