誤解の多い爪水虫 間違ったケアは家族へ感染のリスク

日経Gooday

これが正解!「爪水虫」攻略法&治療法

では、爪水虫かもしれないと思った場合はどうすればいいのか。福田さんに教えてもらった、きっちり治すポイントと心構えを紹介しよう。菌を持つ人が正しい知識を持って治療とケアをすることで、水虫に悩む人を減らしていける。これであなたも、しつこい水虫とはさよならだ!

●皮膚科を受診する

水虫、特に爪水虫では、皮膚科医による見極めと薬の選択が重要になってくる。爪水虫の特徴は前述した通り「爪が厚くなる」「爪が白く濁る」「爪がもろくボロボロになる」などだが、こうした症状が見られても爪水虫ではないこともある。爪水虫の正しい診断を受けるためには、皮膚科を受診することが大切だ。

●爪水虫の治療では「飲み薬」も使われる

爪水虫の治療では、飲み薬と塗り薬の2種類の抗真菌薬が使われる。「足水虫は市販の塗り薬を根気よく続ければ治る場合がありますが、爪水虫の場合には、専用の処方薬を進行度や症状によって使い分けます。爪表面だけに病変がある場合には塗り薬で治療が可能ですが、爪の中まで白癬菌が入り込んでいる場合には治りにくく、飲み薬で体の中から薬剤を爪の下の皮膚組織に浸透させ、白癬菌にアプローチしていくのがより有効です」と福田さん。

現在、国内で保険適用のある爪水虫治療薬は、内服薬3剤、外用薬2剤の5剤がそろっている。日本は、世界的に見ても治療薬の選択肢が最も多い国。つまり、薬をうまく使い分けることで完治する可能性が高く、治療環境はかなり整っている。せっかくの良い環境を生かさなければもったいないのだ。

【保険適用のある日本の爪水虫治療薬】
【飲み薬(経口薬)】イトラコナゾール、テルビナフィン、ホスラブコナゾール
【塗り薬(外用薬)】エフィナコナゾール、ルリコナゾール

●自己判断で治療をやめない

先に述べた通り、足水虫・爪水虫は互いにうつし合う関係だ。通常、足水虫から先に治ることが多いが、爪も完全に治しておかないと再感染のリスクはいつまでもつきまとう。医師の診察のもと、完治するまで根気よく続けることが肝心だ。

治療の目安はどれくらいだろうか。「爪が生え変わる期間は、正常な爪でも半年ほど。病気の爪は成長が鈍るため、健康な爪に生え変わるまで1年以上を要することもよくあります。少なくとも半年から1年は経過を見たいですね」(福田さん)

●寒い時期こそ治療のチャンス

乾燥し気温が低い冬場には、水虫の白癬菌の増殖が止まるため、水虫の症状も軽くなる。しかし数は減っても、爪の硬いケラチンの下で白癬菌は生き延びる。はだしになる機会が増える夏前に、治療を開始するのも一案だ。

●家族全員が治し切る

感染を防ぐには、家族全員が治し切ることが重要だ。爪白癬と診断されたら、家族も一緒に水虫検査を受けておきたい。

●マットや靴下は清潔に

日常生活では次のことを実践しよう。

【感染予防のため実践したいこと】
白癬菌が付着しやすい浴室の足マットやスリッパは定期的に掃除機をかけ、日干しして乾燥させる。
お風呂に毎日入る。菌が皮膚に付着しても、48時間以内に洗い流せば感染を予防できるため。お酒を飲んで酔い潰れ、そのまま風呂に入らず寝てしまうのは避けよう。
靴下は、裏返しにして洗濯する。白癬菌を排除しやすい。右左は履き分けるのが理想。
靴は、1週間に3足以上を履き分ける。1日履き続けた靴の中の湿度は100%に達する。これを完全に乾かし切るには、陰干しで2日以上かかるためだ。

(ライター 及川夕子)

福田知雄さん
埼玉医科大学総合医療センター皮膚科診療部長/教授。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学皮膚科助手、杏林大学医学部皮膚科講師、東京医療センター皮膚科医長などを経て2016年より現職。専門は、真菌症、皮膚腫瘍。日本皮膚科学会認定専門医、日本医真菌学会理事。「日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン」改訂委員。

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