台所番長が厳選 お花見を盛り上げるグッズ5選
合羽橋の台所番長が料理道具を徹底比較
合羽橋の老舗料理道具店「飯田屋」の6代目、飯田結太氏がイマドキの調理道具を徹底比較。今回は花見シーズンにぴったりな、アウトドアパーティーが盛り上がる調理グッズを取り上げる。
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こんにちは、飯田結太です。あっという間に春の陽気になりましたね。春といえばお花見シーズンです。飯田家では、毎年上野公園などに出かけて、桜を見ながら鍋パーティーをするのが楽しみでした。しかし、最近は安全性を重要視していることもあり、お花見会場では火気が制限されているところが増えています。カセットコンロを使う鍋パーティーは難しくなりました。何よりも今年は衛生面に配慮する必要があります。そこで、制限がある中でもおいしく、特別感のあるお花見を演出する調理グッズを紹介します。(すべて税別、飯田屋店頭価格)
手が汚れず衛生的にフィンガーフードが楽しめる
ポテトチップスやピザ、フライドチキンなど、手でつまんで食べるフィンガーフードはみんなが集まると欠かせない食べ物のひとつです。特にアウトドアで食べるとおいしいですよね。でも、食べ終えた後に指を見ると油や塩でギトギトなんてこともよくあります。特に子供がいる場合は、気を使います。
そんな時に重宝するのがコレ。ワシの爪のような形をした、指先につけるフィンガートング「トロングス」です。素材はプラスチック製。大人なら指先までカバーできるもの。トングのように動かして食べ物をつまみます。
初めて見つけたときには、アメリカらしいけれど必要かな、と思いましたが、いざ使ってみると想像以上に便利でびっくり。特に両手にはめてフライドチキンを食べたときは、指がまったく汚れず、しっかりとチキンをつかんで食べられるので、素手でつかんで食べるときよりも食べやすいのです。ネイルをしている女性なら、これをつければネイルも汚れないし、衛生的。アウトドアパーティーなら、豪快に料理を楽しめます。
グラスをかわいくマーキング
パーティーなどで困るのが、自分が使っていたグラスが分からなくなってしまうこと。そうならないようにパーティー通の間で欠かせないのがグラスマーカーです。グラスに自分のモノと分かるように印をつけるものです。ここ数年でいろいろなものが登場しました。中でも人気なのが、吸盤タイプのなんともいえない味のあるキャラクターのこちら。
とても小さいマーカーなのですが、カラフルな色と形で自分のグラスがどれなのかもわかりやすいのがポイント。グラスにピタッとくっつけるだけで、ほんのりおしゃれになるのがいいですね。
どこでも手軽に薫製ができる
今やパーティーに薫製料理は欠かせません。こだわり派の男性なら、本格的にいぶしたものを花見に持参することもあるでしょう。でも、それではエンターテイメント性が足りないと思いませんか。そこで提案したいのが、その場で薫製を作ること。
とはいっても薫製鍋や大量のチップを用意するのは大変。もっとコンパクトにできるのが、グリーンハウスのコンパクト薫製器「フードスモーカー」。
大きさは500ミリリットルのペットボトルほど。3種類の国産チップ付きです。ひとつまみのチップを頭の部分にのせて燃やすと、チューブから煙が出て香りがつくという仕組み。皿にチーズやゆで卵、ウインナー、ナッツなど、香りをつけたい食材を置いてラップをかけます。その中にチューブを入れれば、あっという間に香りがついて薫製の出来上がり。本格的な味わいなのでパーティーで注目されることまちがいなし。一味違う花見パーティーになります。
地球にやさしいストロー
プラスチック製のストローは世界中で問題になっています。プラスチック製品はこれからどんどん減っていくのだろうなと思います。そんな動きの中、さまざまな素材のストローが登場しています。紙製、竹製、アルミ製など。私がおすすめするのは、アルミ製です。
紙製も竹製も何度も使える素材ではありません。使っている間に形が変形したり、飲み物の味が変化することもあります。アルミ製は半永久的に使える素材。金属製だから味が気になるのでは、と思っていたのですが、実際に冷たい飲み物を飲んでみると、金属の味は気になりません。むしろ冷たさが持続しておいしさが倍増するくらい。うれしいのは、何度も清潔に使えるように、専用の掃除ブラシが付いていること。この細やかさはさすが新潟県燕市産。パーティーで出せば、一目置かれると思います。
本格派すずチロリで日本酒を楽しむ
大人になったらぬる燗の日本酒をたしなむようになってみたいもの。私はまだその域まで達していないのですが。店でぬる燗を楽しむのは普通のことですよね。それをアウトドアでも楽しめるようにしたのが、持ち運べる、卓上酒燗器「ミニかんすけ・匠」です。実はこの商品は業務用。卓上用として今も定番商品です。最近では、一つ一つの素材にこだわりがあることから、日本酒愛好家の方にも注目されています。
チロリは、すずの街として知られる富山県高岡市産で純度100%のすず製、チロリを温める陶器は岐阜県産の多治見焼、木のボックスは神奈川県産とどれもこだわりがすごい。すず製品は、日本酒の味をまろやかにするといわれています。日本酒好きでなくても試してみたくなるのではないでしょうか。
使い方は、陶器に湯をいれて、その中に日本酒を入れたチロリをセットするだけ。あとは箱に入れて持ち歩けます。チロリ(360ミリリットル、2合分)は蓋付きなので衛生的、香りもじっくり楽しめます。ホットワインやホットウイスキーもぜひ試してみてください。
お花見の楽しみ方は人それぞれ。ワイワイ大勢で楽しむのもよし。ぬる燗の日本酒でまったりと桜を愛でるのも乙なものです。いつもとは趣向の違う花見パーティーをしてみませんか。(談)
(文 広瀬敬代、写真 菊池くらげ)
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