「休学」と聞いて、どんな印象をもつだろうか。学校に行きたくなくなっちゃったの? と後ろ向きにとらえる人は、特に親世代には少なくない。しかし、時は令和。休学は、前向きに活動するための手段としてあえて選ばれるようになってきた。名付けて「ポジティブ休学」。日本経済新聞社は1月、トークイベント「ポジティブ休学やってみない? ~大学休学して人生変わった人と話そう」を開催。休学経験のある現役大学生3人が登壇し、いまどきの休学事情を語った。
会場に集まったのは大学生を中心に約40人。既に休学中の人、これから休学したい人、一歩踏み出したいのにどうしたらいいのか分からない人など、参加者の学生生活は様々だ。イベントは司会から登壇者に質問をぶつける形で進んだ。
Q なぜ休学しようと思ったの?
福田さん きっかけは就活でした。金沢大から、東京の有名IT(情報技術)企業のインターンに参加したんですけど、都会の優秀な大学生のすごさを目の当たりにしちゃって。みんなめちゃくちゃ優秀で、KPIとか経済用語がぽんぽん飛び交ってて。地方大出身の僕は挫折しちゃったんです。このまま会社というものを知らずに就活してもダメだと思って、休学して就活のユーチューブチャンネルを立ち上げました。就活支援の株式会社Diaryも最近、設立したばかりです。
宮田さん わたしは大学で最初はいわゆる飲みサーに入って、そのうち気づいたんですけど、そういうところで飲んでる学生が、就活になると超有名企業にどんどん就職して社会に出て行く。なんかバカらしいなって思っちゃったんです。本当は交換留学に行きたかったんですけど、書類申請に不備があって行けなくて。それで、Workawayという仕組みを使ってまずは海外に出て、休学して海外を回ることにしました。
意識高い系中島さん 本名も顔も明かしていないので、きょうはマスクをつけています。僕は理系なんですけど、3年生のころから結構とがった内容のブログを書き始めて、そしたら読者もついて伸びてきたんですよね。イベントを開催したら70人も集まって、うわ、これ面白いじゃんってなって。4年生になると研究室に入らないといけないし、忙しくなるのでだったら休学して活動しようと決めました。