支出増えがちな2020年 固定費カットと節税基本のキいまさら聞けない大人のマネーレッスン

2020/2/5

税金は払い過ぎている可能性をチェック

次に、収入を増やす方法……というわけではありませんが、税金を払い過ぎていないかチェックしてみましょう。会社員であれば「医療費が年間10万円を超えた」「住宅ローンを組んで家を購入した」「自然災害や盗難などの被害にあった」といった場合に、確定申告することで税金が還付される可能性があります。

ここでは、多くの人に関係がありそうな「医療費控除」をみてみましょう。医療費控除は、1年間(1~12月)の医療費の自己負担額が10万円を超えたとき、超えた金額が所得控除されるというもの。

ポイントは、申告する本人だけでなく、生計を一にする家族や親族が支払った医療費も合算できるという点です。家族全員の医療費を合算すると、10万円を超えている世帯もあるのではないでしょうか。

健康保険が適用された医療費はもちろん、歯科のインプラントやセラミック義歯、不妊治療、先進医療……など、医療目的であれば、健康保険適用外の費用も控除の対象となります。

また、指定された市販薬を年間1万2000円超買うと、超えた分を所得控除することができる医療費控除の特例「セルフメディケーション税制」という制度があります。対象となる市販薬は「スイッチOTC医薬品」(医師によって処方される医療用薬品から転用された医薬品)と呼ばれ、風邪薬や解熱鎮痛剤など約1600品目が指定されています。薬局やドラッグストアで、よく頭痛薬や痛み止めを買っているかも……という人はレシートや領収書で確認を。1万2000円を超えているかもしれません。

こちらも、医療費控除と同様に、申告する本人と生計を一にする家族や親族の支払いも合算できます。控除の上限額は8万8000円です。ただし、医療費控除とセルフメディケーション税制の併用はできません。有利になる方を選んでください。

20年の確定申告期間は、2月17日(月)から3月16日(月)まで。心当たりのある人は、上記の期間までに、レシート・領収書で19年の医療費を確認しておきましょう。

使える制度をフルに使おう

最後に公的な制度の利用を考えてみましょう。

日本では、失業、休業、出産、子育てなど、お金が必要な場面で、手当や給付金を受け取ることができます。たとえば、失業したときの「基本手当」、病気やケガで働けなくなったときの「傷病手当金」など、もしものときのセーフティーネットから、「出産育児一時金」「児童手当」「育児休業給付金」といった子育て世帯への支援などです。

こうした制度は、原則、自分から申請する必要があります。自治体や各団体は、制度が必要になった人に対して案内していますし、周知にも努めていますが、やはり限界があります。何か困ったことがあったら、最寄りの役所などに相談する、あるいは、インターネットで検索するなど、利用できる社会保険の制度がないか、チェックしてください。

井戸美枝
ファイナンシャルプランナー(CFP)、社会保険労務士。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。社会保障審議会企業年金・個人年金部会委員。確定拠出年金の運用に関する専門委員会委員。経済エッセイストとして活動。近著に「5年後ではもう遅い!45歳からのお金を作るコツ」(ビジネス社)、「身近な人が元気なうちに話しておきたいお金のこと介護のこと」(東洋経済新報社)、「100歳までお金に苦労しない定年夫婦になる!」(集英社)、「届け出だけでもらえるお金」(プレジデント社)など。
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