服飾評論家、石津祥介さんとファッションについて語り合う連載「石津祥介のおしゃれ放談」では、2019年下期、ユニクロを展開するファーストリテイリング会長兼社長の柳井正さん、ハリウッド ランチ マーケット創業者で聖林公司代表のゲン垂水さん、原宿キャシディ店長兼バイヤーの八木沢博幸さんら、カジュアルファッションの重鎮が登場しました。3人がともにVAN(ヴァンヂャケット)と深い関わりがあることも話題を呼びました。3つの対談には、幅広い世代をとらえるファッションのヒントが潜んでいます。
「僕はVANでカジュアルの全貌を学んだ」柳井正さん
柳井さんの実家は紳士服店とともにVANの専門店、VANSHOPを経営していました。柳井さんは高校時代、まだだれも見たことのない、ボタンダウンの白シャツとバスケットシューズを履いて登校していました。身近にあったVANがユニクロの原点だと言います。
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「ユニクロの原点はVAN」「定番こそ革新が必要」
「アイビーの良さは、けじめがあるということ」ゲン垂水さん
「ハリウッド ランチ マーケット」は東京・代官山を代表するアメカジの名店で、世界中からファンが訪れます。VANの元社員だった垂水さんは本物に触れたいと渡米、古き良きアメリカの洗礼を受けました。「ランチ」には垂水さんの美意識が詰まっています。
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(上)まるでおもちゃ箱「ランチ」 代官山からアメカジ発信
(下)1本のデニムにも物語 世代超える「ランチ」の定番
「堅実に長く着れるものに返ってきていますね」八木沢博幸さん
今でも「原宿キャシディ」の店頭で接客する八木沢さんは、アメカジを知り尽くす、レジェンド的存在だ。店内にはマウンテンパーカーから紺ブレまで、八木沢さんの眼鏡にかなう名品が勢ぞろい。トラディショナルな商品への回帰を実感するという。
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(上)アメカジ回帰 80年代アウトドアカジュアルが新鮮
(下)仕事着から生まれたアメカジ 日本のデザイナー触発