まるでおもちゃ箱「ランチ」 代官山からアメカジ発信ハリウッド ランチ マーケット探訪(上)

「ここはボス(ゲン垂水さん)の哲学があふれた場所なんだ」と話す石津祥介さん(東京都渋谷区のハリウッドランチマーケット)
「ここはボス(ゲン垂水さん)の哲学があふれた場所なんだ」と話す石津祥介さん(東京都渋谷区のハリウッドランチマーケット)

ハリウッド ランチ マーケット、通称「ランチ」は日本のカジュアルファッションの歴史を代表する名物店だ。1979年から東京・代官山でアメリカンスタイルを提案し続けて40年、今でも熱狂的な支持者が引きも切らずに詰めかける。年季の入った店内に、ビンテージグッズが飾られ、デニムやウエスタンシャツがひしめくさまは、まるでおもちゃ箱をひっくり返したようだ。これこそ、創業者で聖林公司(東京・目黒)代表のゲン垂水さんが唱える「ファッションを楽しもう」という哲学そのもの。実は垂水さんはヴァンヂャケット(VAN)出身で、服飾評論家の石津祥介さんとは旧知の仲だ。ワクワクする秘密を存分に語ってもらった。




本場のファッション知りたくて23歳で渡米

――お店の入り口では恐竜のアートがお出迎え。味わいのあるベンチやドアを据えた外観も印象的で、10代から60代までおしゃれな人がひっきりなしに出入りしています。

恐竜のアートがお出迎え。古き良きアメリカが漂うランチは40年、代官山の顔だ

垂水「72年に千駄ケ谷でスタートして79年にこちらに引っ越してきました。代官山にはすでにヒルサイドテラスがありまして、環境が良いのが気に入っていたんです。この場所は昔は長屋で、大家さんが知り合いだったので貸してもらいました」

――垂水さんはVAN出身とお聞きして、驚きでした。

垂水「入社したのは60年代半ばです。僕は昔からおしゃれが好きでVANに入りたくてたまらず、当時の役員に直談判して入れてもらいました。VANで仕事をしながら、ずいぶん遊びましたよ。そのうちアメリカのファッションへの好奇心がどんどんわいてきて、本場でいろいろ見てみたくなりました。それで3年ほどで会社をやめて、横浜大さん橋から移民船ぶらじる丸で渡米したんです。23歳のときでした。たくさんのVANの同僚が見送ってくれたことを今でも覚えています」

聖林公司のゲン垂水代表

石津「アイビーを知りたいと何人ものVANの社員がアメリカに船で渡ったころですね。ボス(垂水さん)は入社の時から変わり者。でもあっという間にいなくなってしまい、3年ほどたったら、ヒッピーの親分みたいになって帰ってきた」

垂水「クルーカットでアメリカへ行って、ロングヘアで帰国したの(笑)」

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