6歳児も熱狂 eスポーツは若者つかむ最強メディア『eスポーツマーケティング 若者市場をつかむ最強メディアを使いこなせ』より

こういうと「海外のことだろう?」と思われるかもしれません。確かに日本のeスポーツ市場はまだまだ小さい。18年の市場規模はたった48.3億円です。しかし実はこれは前年比13倍の数字。伸び率が大きいのがポイントです。22年には99.4億円にはなると言われています。

そして数字以上に顕著なのが、若い世代の動きです。CyberZが運営するeスポーツイベントの「RAGE」は年々、来場者数、配信視聴者数ともに右肩上がりで、18年のイベントでは総来場者3万5000人、配信視聴者数700万人にまで伸びました。

日本のeスポーツの市場規模予測(出所:Gzブレイン)

しかもその8割が10代、20代。ゲーム好きはもちろん、「あまりプレーはしないが見るのは好き」という人も出てきました。テレビ以上にネットに親しんでいる彼ら彼女らにとって、ゲームプレーの実況動画は人気コンテンツの一つ。その延長で、eスポーツに関心を持つ人たちもたくさんいます。この世代が消費の中心になる時代、さらには子供を持つ時代を迎えたら……eスポーツは世代を超えて楽しむエンターテインメントになるかもしれません。

家族が応援、まるで少年野球のよう

実際、19年10月に茨城国体文化プログラムの一環として行われた「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI」では、その兆しが見えました。

伊勢丹新宿店で2019年8月に開催された全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI 関東エリア代表決定戦の様子。家族で選手を応援する姿が多く見られた(写真/稲垣宗彦)

同選手権は地方自治体が初めて開催したeスポーツの全国大会。予選には1万5000人が参加し、最年少は6歳でした。全国の予選会場には親御さんに連れられた子供たちがちらほら。緊張の表情でコントローラーを握る小さな選手やそれをリラックスさせようと熱心に声をかけるお父さん、試合が始まるとスマホで写真を撮りまくるお母さん……。少年野球や少年サッカーさながらの光景でした。

茨城県で開催された「ぷよぷよeスポーツ」の決勝大会では、負けて悔しがる9歳の選手にお母さんが「来年の大会に向けてまた頑張ろうね」と声をかける場面もありました。ちなみに彼にはご家族管理によるTwitterアカウントもあり、既に人気選手予備軍です。

こうした流れに対してはゲーム依存などを心配する声もありますが、ある(リアル)スポーツの関係者は、「練習しすぎれば体を壊すのはどんなスポーツも同じ」と言い切ります。いずれにしろ、ゲームを取り巻く環境はこの2~3年でがらりと変わっているのです。

eスポーツはスポーツなのか。先に挙げたマインドスポーツやモータースポーツ同様、この疑問が消えることはないでしょう。それでも現実が止まることはありません。

(日経BP 日経クロストレンド編集 平野亜矢)

eスポーツマーケティング 若者市場をつかむ最強メディアを使いこなせ

編著者 : 日経クロストレンド
出版 : 日経BP
価格 : 1,870円 (税込み)

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