6歳児も熱狂 eスポーツは若者つかむ最強メディア『eスポーツマーケティング 若者市場をつかむ最強メディアを使いこなせ』より

「eスポーツってスポーツなの?」

仕事で、あるいはプライベートで、ゲームやeスポーツとあまり関係がない人に「この数年、eスポーツを取材しているんですよ」とお話しすると、いまだによく出てくるのがこの疑問です。「どう思いますか?」と聞き返すと、「頭は使っているかもしれないけれど、スポーツではないんじゃない?」と答える人のほか、「あんなの指をピコピコ動かしているだけでしょ」という明確な抵抗感を示す人もいます。しかし、11月刊行の日経クロストレンド編『eスポーツマーケティング 若者市場をつかむ最強メディアを使いこなせ』(日経BP)に示したように、参入企業は近年急増しており、ファンも観客も増えています。今回はこの書籍をもとに、eスポーツの現在と「これはスポーツなのか?」を考えてみましょう。

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言い古されたことですが、こうした疑問が多いのは「スポーツ」=「運動」という認識が日本では強いからだと思います。これに対し、「“スポーツ”には本来、楽しみや気晴らしのための活動という意味もあり、運動とは限らない」といった反論もありますが、おそらくこれで納得する人は少ないはず。eスポーツを取材している筆者ですら、言葉の由来を説明されてもな、と思ってしまいますから。

数多くのファンを集めるeスポーツイベント。写真は東京ゲームショウ2019で開催された「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア」のスペシャルマッチの様子(写真/加藤康)

では筆者はどう考えるのか。身も蓋もないようですが、この疑問自体、あまり意味がないのではないかと思っています。率直に言うと皆「スポーツ」という言葉にとらわれすぎではないでしょうか。

例えば、「スポーツ」の頭に「マインド」が付けば将棋やチェスなどを指します。「モーター」が付けばカーレースやバイクレースなどのことです。いずれも「スポーツなのか」という意見はあるようですが、言葉としては定着しています。頭に「e(エレクトロニック)」が付いたらビデオゲームでいいと思うのです。

言葉の定義と無関係に、盛り上がりはやってきた

それよりも重要なのはeスポーツファンが着実に増えている事実です。前述の「eスポーツマーケティング」に掲載したデータによると、世界のeスポーツの市場規模は2019年が約1210億円(前年比26.7%増)、22年には約2000億円に達する見込みです。観戦者も順調に増えており、世界的な人気ゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」の18年世界大会決勝戦では、2万3000席以上用意した会場が満員になり、配信のユニーク視聴者数は9960万人に達しました。

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