2019/12/19

面接道場

C そんなに違います?

中北 別人よ。プライドが高くて自己防衛が入る人の特徴って、色々なところで眉が動き、決めるときのドヤ顔みたいなものもあります。目線もよく上に向く。相手を論破しようとしたり、批判的に見たりする印象を受けます。

C 具体的にどういう改善方法がありますか。

中北 すぐにできることは、(1)当たり前ですが、笑顔を多用する(2)話す速度を相手の理解に合わせる(3)これはすぐにできるかわからないけど、人の話を聞くこと――この3つです。人の話を聞いているふりをして、自分が次に何を言おうかを考えている印象でした。相手の話を受け止めている感覚がしない。最後に「貢献」って話してたけど、そんな速度で言われても、言ってることとやってることが違うなって感じてしまうんです。

とっつきにくさ認識しているなら、変える努力を

C チームワークの話は気を付けないと、とずっと考えていたんですけど、どんな話を出そうかと迷ってしまって。

中北 エピソードとか小手先の話じゃなくて、醸し出す雰囲気がチームワークがとれなさそうなんだよ。「僕はチームワークすごくて友達が多い方です」とかが、嘘に聞こえてしまう。友達が多い方とか、あの一言もいらない。そこまで掘り下げる時間がなかったけど、プライドの高さはコンプレックスからきているのかなって見えちゃう。だから、ほめてほめて!認めて!って聞こえてしまう。

C そんな自己承認欲求しまくりに見えますか(笑)。自分の弱点を突かれると焦ってしまってうまく答えられないんです。見破られたときにどうしたらいいかと悩みます。

中北 話す内容に重きを置いているけど、スタンスの問題なんです。Cさんはチームワークができなさそうだと見破られるという前提で考えた方がいい。顔に書いてあるというのに近い。弱点は誰にでもありますが、そもそも自己認知が低いやんっていう話です。人から見られているという観点がおろそかになっていないですかというのを面接の中でフィードバックしていたつもりです。

なぜ人からとっつきにくいと思われているのに、変えようとしないんですかと。とっつきにくさを認識しているんだったら、私なら変えようと努力をするんですよ。実際の仕事において、合わない人は全部切り捨てるなんてことできないですよね。

なぜ自己認知が重要か。笑いのネタの構造で、「フリ」と「オチ」っていうのがあります。フリは「共通認識」で、オチは「裏切り」です。フリをきかせてオチで笑わせる。相手から見た自分と、自分から見た自分がずれていると何が起こるかというとそもそも共通認識がずれているから、すべらない話も全然面白くない。これは笑いに限ったことではなくて、発言自体に説得力がなくなるんです。

前提として、話している内容は全然悪くないし、色々な企業から内定もらえると思うよ。笑顔で話す、人の話に相づちを打って聞く、論破しないようにするとか、ちょっと話し方を変えるだけですごく良くなると思います。

(文・構成 安田亜紀代)

中北朋宏
浅井企画に所属し、お笑い芸人として6年間活動。トリオを解散後、人事系コンサルティング会社に入社し、内定者育成から管理職育成まで幅広くソリューション企画提案に携わる。その後、インバウンド系事業のスタートアップにて人事責任者となり、制度設計や採用などを担当。2018年に人材研修コンサルティングなどを手掛ける株式会社 俺を設立し、社長就任。

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