酔ってタクシー帰り、もうやめて
脚本家、中園ミホさん
主人は外で飲み過ぎるとタクシーで帰宅するのですが、いつも車中で寝てしまい起きません。「大丈夫」とか「起きてる」とか繰り返すばかりで、運転手さんが警察を呼んで降ろしてもらう始末です。病気なのではと疑うのですが、本人は健康だと言い張ります。私は仕事で毎朝5時前に起きなくてはならず、つらいです。(東京都・40代・女性)
◇
酒席からの帰りのタクシーで寝てしまうのは、お酒好きの人ならだれでも経験があります。「お客さん、着きましたよ」と運転手さんに言われて、はっとして跳び起きたことは私も何度かあります。
でも、ご主人のケースは論外です。運転手さんが起こしても目を覚まさず、警察のご厄介になり、朝5時起きの奥さんにも迷惑をかける。そんなことを繰り返すようでは、お酒を飲む資格はありません。ご主人のことを軽蔑したり見捨てたりせず、許してくれている奥さんに甘えているのだと思います。
まず奥さんはいかに心配しているかを、ご主人に真剣に伝えるべきです。親切な運転手さんだからいいものの、いつ犯罪に巻き込まれても不思議はないはずです。
ご主人の健康も心配です。すぐに病院に連れて行って検査すべきです。いまは体の不調がないとしても、正体を失うほど飲む習慣が続けば、いつか体を壊すことになるでしょう。
それから奥さんがいかに大変かも分かってもらう必要があります。深夜になってもご主人が帰宅しないと、「ああ、またタクシーで酔いつぶれているんじゃないか」「体は大丈夫なのか」と心配ですよね。こんな生活では、奥さん自身が睡眠不足で体を壊しかねません。
そうしたことを伝えたうえで、「とにかく外でお酒を飲むのをやめてほしい」「自分は心配で何も手に付かなくなる」と、しらふのときに話してください。あなたのおかげで私が健康でなくなるんです。聞き届けられなければ離婚というくらいの覚悟で、強く迫るべきでしょう。
かわりに自宅で飲んでもらうわけにいきませんか。「うち飲みは楽しくない」とご主人はこぼすかもしれません。おそらく奥さんは、ご自身では飲まない方ですよね。どうか話し相手になるなどして、場を盛り上げてください。ご主人も自宅なら安心してすぐ眠くなるはずで、奥さんの睡眠不足の心配もありません。
私自身お酒が好きなので甘すぎる意見かも知れませんが、断酒せざるをえない事態になる前に、飲み方を変えさせましょう!
[NIKKEIプラス1 2019年12月14日付]
これまでの記事は、こちらからご覧ください。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。