米倉涼子 変わらぬ大門未知子と進化した内容楽しんで
2012年にスタートし、これまでの最高視聴率は27.4%。前シリーズ(17年)でも平均視聴率20.9%を記録した『ドクターX~外科医・大門未知子~』(木曜21時/テレビ朝日系)の第6シリーズが放送中だ。もはや"国民的ドラマ"と言っても過言ではない同作での役を、演じる米倉はどう受け止めているのか。
「シリーズを重ねるごとに、未知子を取り巻く環境は少しずつ変化してきていますが、未知子自身はずっと変わっていないんですよ。このドラマは周りのキャストさんが面白いんです。本読みのときから、みなさんが面白すぎて、一瞬『私の役、つまらないのかもしれない』という考えがよぎって(笑)。未知子自身も成長を見せたいし、いろいろとやってみたいんですけど、我慢の役です、意外と。
海老名先生(遠藤憲一)に『顔が怖い』って言うセリフがスタート当初からあるんですが、今はもう全然怖くない(笑)。『私、失敗しないので』というセリフは、『普段の私は失敗するのにな』と思ってしまって、以前はすごく嫌だったのに、サラッと言える自分がいたりして。そんなふうに私自身の中で少しずつ成長しているので(笑)、未知子はこのままでいいのかなって思っています」
長年で培われた空気感
今回は倒産寸前の「東帝大学病院」が舞台。企業再生のプロである投資家のニコラス丹下(市村正親)が副医院長に就任し、医療合理化のための新部門に丹下が呼び寄せた外科医・潮一摩(ユースケ・サンタマリア)と共に未知子の前に立ちはだかる。
「新キャストの市村さんは、最初はほとんどポルトガル語だったんですが、それでも違和感がないのが市村さんのすごさ。ユースケさんは、セリフ量がかなり多かったりするので、掛け合いが刺激的です。
これだけ長くやらせていただいていると、勝村政信さんはじめ、いつものメンバーとは、やっぱりずっと一緒にやってきた空気感と心地よさがあります。西田敏行さんとは、お芝居をしているのか遊んでいるのか分からなくなるときがあるんですけどね(笑)。
クランクイン前には内山聖子プロデューサーと2人で、伊勢神宮にお参りに行ってきました。顔合わせではキャストとスタッフ合わせて200人くらい集まったんですけど、ほとんどが顔見知りで、『この安心感、戻ってきたな』と実感しました。
最初はほぼ手技で手術をしていたのが、ロボット手術が出てきて、今回は手術にAIが入ってきて。『何々してください』『分かりました、メス』みたいに、間にAIの指示が入ってくるので、そのリズム感も楽しんでいます。進化した『ドクターX』を楽しんでほしいです」
(ライター 内藤悦子)
[日経エンタテインメント! 2019年11月号の記事を再構成]
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