怖い膵がん 早く見つけるにはどんな検査がいい?

日経Gooday

答えと解説

正解は、(1)腹部エコー検査 です。

近年の診断・治療技術の目覚ましい進歩により、がん全体の5年生存率(診断から5年後に生存している患者の割合)は65%まで上がってきました。にもかかわらず、膵がんの5年生存率だけは依然として低く、わずか10%にすぎません。

膵臓は胃の裏側にあるため、異常があっても察知されにくく、さらに、胃のように筋層に覆われていないため、がんができるとすぐに周辺のリンパ節や臓器に広がってしまいます。そうした特性ゆえ、膵がんは発見が遅れやすく、診断されても手術できる可能性が非常に低いのです。

しかし、膵がんの患者を診療する機会の多い、東京医科大学消化器内科学分野主任教授の糸井隆夫さんは、「ほとんどの膵がんは膵管の中にできます。膵管の外まで浸み込む手前の段階で見つけ、がんを手術で取り除けば、90%の確率で再発はしません」と言います。

膵がんを早く見つける第一歩は、腹部エコー検査

それでは、膵がんが膵管の中に収まっているうちに見つけるには、どの検査を受ければいいのでしょうか。一番手っ取り早い方法として、糸井さんが勧めるのは腹部エコー検査です。

「膵管の中にがんがあると、膵管が圧迫されて太くなります。それが膵がんの早期発見のサインとなるのです。こうした変化を観察するには腹部エコー検査が有効です。ぜひ健診や人間ドックを受ける際のオプション検査に加えてください」(糸井さん)

異変が見つかった際の精密検査として、近年導入されているのは「超音波内視鏡」という最新の検査機器です。超音波内視鏡とは、通常の胃カメラ(上部消化管内視鏡)のように口から内視鏡を入れ、食道、胃、十二指腸とつながる消化管の中で、壁越しに超音波を当てて周辺臓器の異常を調べるものです。

胃腸の壁越しに超音波を当てる超音波内視鏡は、腹部エコーより精度が高い。さらに、その先端から出した穿刺針で膵臓の組織を採取する超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引法も普及している

この検査が広まったおかげで、膵がんは以前より早い段階で見つかるようになりつつあります。しかも超音波内視鏡なら胃カメラを飲むくらいの感覚で済むので、検査を受けることへのハードルが低く、今後さらに広く普及することで、膵がんを少しでも早く見つけて生存率を上げていくことが期待されています。

(日経Gooday編集部)

[日経Gooday2019年11月25日付記事を再構成]

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