星出彰彦さんに聞く 宇宙飛行士はスーパーマンか現役宇宙飛行士に聞く(上)

日経Gooday

船外活動訓練での星出彰彦さん/撮影日:2019年7月12日(日本時間)(C)JAXA/NASA
船外活動訓練での星出彰彦さん/撮影日:2019年7月12日(日本時間)(C)JAXA/NASA
日経Gooday(グッデイ)

2020年、宇宙飛行士の星出彰彦さん(2019年11月現在50歳)が日本人として2人目のISS(国際宇宙ステーション)船長として、3度目の宇宙に飛び立つ。インタビュー記事の1回目では、宇宙飛行士になるまでの訓練やトレーニング、宇宙飛行士に求められる資質などについて伺った。

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3度目の正直で、夢だった宇宙飛行士に合格

――星出さんが宇宙飛行士になられたきっかけを教えてください。

小学校低学年の頃、父の仕事の関係で米国で暮らしていまして、そのときに連れて行ってもらったケネディ宇宙センターで本物のロケットを見たり、SFのアニメや映画を見たことが、宇宙に憧れたきっかけだと思います。小学4年生のときに「アンドロメダ星雲に行きたい」と作文に書いていました。

宇宙飛行士になるには、宇宙航空研究開発機構(以降、JAXA)の宇宙飛行士選抜試験に合格しなければいけません。僕は3度目の挑戦で合格しました。

1回目は大学生のときです。応募要項には「自然科学系大学卒業、3年以上の実務経験」が必要と書いてありましたが、大学生ですから受験資格がなく、「本当にやりたいなら熱意を見せなさい」という父の言葉に背中を押されて、応募書類を当時の宇宙開発事業団(現在のJAXA)に持ち込み直談判しました。応募資格を満たしていないので受験できませんでしたが、このときの父の言葉は今でも僕の中に息づいています。

「3度目の正直」で宇宙飛行士に(写真 厚地健太郎)

2回目は、大学を卒業して宇宙開発事業団の職員として働いていたときです。純国産の液体燃料ロケット(H-2ロケット)開発などのものづくりに関わった後、宇宙飛行士の技術支援を担当していました。そのときの試験では野口聡一飛行士が合格し、僕は最終選考で落ちてしまいました。

そして次に受験した1999年、僕は3度目の正直で念願の宇宙飛行士候補者になることができました。

――宇宙飛行士候補者に選ばれてから、どんな訓練をするのでしょうか。

まず基礎訓練という約2年間のフェーズがありました。僕は古川聡飛行士、山崎直子飛行士とともに、JAXAの国際宇宙ステーション搭乗宇宙飛行士候補者として選抜されたので、国際宇宙ステーションに滞在するために必要な科学的・技術的な知識と技能、国際宇宙ステーションの共通言語である英語、ロシア語などを日本で学びました。

その間は学生時代に戻ったようにがむしゃらに勉強しました。毎日宇宙ステーションのシステムに関わる資料を読み講義を受け、宇宙での実験や研究について専門の先生に教わり、スペースシャトルについても学びましたが、その勉強量は相当なものでした。

6時間の水中トレーニングでへとへとに

――それから今に至るまで、体力的なトレーニングはどういったことをされているのですか?

トレーナーに細かく指導されるというより、トレーナーの準備してくれたメニューに基づき、ジムを自由に使って、自分で体を鍛えています。訓練の間は、健康でいることが第一の目的で、宇宙から地球に帰還した段階で困らないように体を鍛えることも大事です。

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