中谷美紀さん つらいときに思う「私は恵まれている」

2019/10/21
中谷美紀さんは「ハル ~総合商社の女~」で主役を演じる
中谷美紀さんは「ハル ~総合商社の女~」で主役を演じる

心ない言葉に傷ついたり、相手の振る舞いにイライラが募ったり。仕事で、プライベートで、つらい気持ちになることは誰しも経験します。女優の中谷美紀さんはそんなとき、インドの旅を思い出すそうです。貧しく、厳しい生活を強いられている現地の人々はしかし、本当に明るく、不幸だと感じさせませんでした。「例えば、災害で大変な思いをされている方もいらっしゃいます。それに比べたら自分は恵まれている。文句を言う必要はないと思うようにしています」

寺田心君の言葉に感心

中谷さんは10月21日に始まるドラマBiz「ハル ~総合商社の女~」(テレビ東京系)で、主人公の海原晴を演じます。放送を前に、プロデューサーの栗原美和子さん、脚本を手掛けた龍居由佳里さんと、働く女性をテーマにしたトークイベントに登壇。日経ウーマノミクス・プロジェクトの女性会員を中心とする参加希望者からもらった質問に答えるかたちで、女性が活躍するための心構えなどを披露しました。

疲れた、つらいといったネガティブな状況での対応策を尋ねられた中谷さんは、インドの旅を振り返りました。もちろん、愚痴をこぼしたくなるときもあると打ち明けます。そんな自分を反省するある出来事がありました。ドラマで息子役を演じた寺田心君のひと言です。撮影現場で疲れたなんて口に出さない心君。どうしてと聞くと「駄々をこねても、愚痴を言っても、何も変わらないから」。「すごいですよね。私もそうありたいです」と中谷さんは感心することしきりです。私たち大人が11歳に負けてはいられません。

プロデューサーの栗原美和子さん(左)、脚本家の龍居由佳里さん(右)と働く女性をテーマに話が弾んだ

撮影が始まると、俳優は拘束される時間が長くなります。だからこそ、中谷さんは一段落すると休みを必ず取るようにしています。「特殊な仕事なので参考にならないかもしれませんが、周囲の方が休めるようにするのはもちろん、情熱をキープするためにも必要です」。ワークライフバランスをうまく保つことが、次につながる。中谷さんは実践しています。

楽しく仕事をする

根強く残る男女の格差を前に、自立して男性と公平に戦っていくためにはどんな言動が必要かという質問もありました。映画、テレビの世界でも女性が増えてきたとはいえ、管理職は男性がほとんど。中谷さんは「まずほめて、さりげなく言いたいことを伝えて、最後にほめるように心がけています」とアドバイスします。プロデューサーの栗原さんは現場での中谷さんの姿勢を評価します。「ジョークで和ませながらも、リーダーとして緊張感を与えてもいます。リーダーシップを発揮する際に必要なことです」

ドラマの主人公、海原晴は「楽しく仕事がしたい」と常々口にします。そして「愚痴を言う暇があれば、目の前の課題に取り組みましょう」とも。「現実世界では色々な出会いがあり、いいことも悪いことも起こります。それでも、楽しく仕事をし続けてもらえれば」。中谷さんはそう願っていました。

■ハル ~総合商社の女~
ドラマの出演者。左から白洲迅さん、中谷さん、藤木直人さん、奥田瑛二さん

大手総合商社に勤めるシングルマザー、海原晴が一般常識にとらわれることなく、経営企画部・部長補佐として膨大な各部門や系列会社の諸問題を解決するために奮闘する姿を描く。地上波放送終了後、BSテレ東で放送、動画配信サービス「Paravi」で配信する。
中谷美紀
1993年に女優デビュー。映画、テレビ、舞台で活躍し、日本アカデミー賞主演女優賞最優秀賞をはじめ数々の賞に輝いている。