「日本カレーは文化」 海外へ味も働き方もココイチ流壱番屋 葛原守社長(上)

壱番屋の葛原守社長
壱番屋の葛原守社長

「ココイチ」の愛称で知られる「カレーハウスCoCo壱番屋」は国内外に1444店(2019年9月現在)を展開、ギネスに店舗数世界一と認定されたカレーレストランだ。運営会社、壱番屋は海外展開にも力を入れており、店舗売上高の1割強が海外。葛原守社長(52)は15年前に中国進出を手がけるなど、長らく海外事業の中核を担ってきた。入社前はコックとして腕を振るった経歴を持つ葛原氏。世界のどこであろうと、「同じメシ」を食べるなどして仲間になることが、組織をまとめる基本だと説く。

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――19年3月に社長に就任しました。どのようなリーダーになりたいと考えていますか。

「私の中でリーダーといえば、壱番屋の創業者、宗次徳二さんのイメージが強いです。1992年に私が入社した当時は社長でした。つねに従業員に心を開いていて、従業員の生活を良くしたい、会社を良くしたいという思いが伝わってきました。外食の仕事って、お客様に対しても従業員に対しても、一期一会の気持ちが大切なんだな、と学びました。でも、私が宗次さんになれるかといったら、なれない。あんなにストイックに生きられないですから。できる範囲で頑張るしかないですね」

――入社前はホテルで働いたそうですね。

「広島市のホテルで洋食のコックとして5年間働きました。当時は今とは違って『仕事は盗め』という世界でしたので、上司や先輩のようすを一生懸命みて学ばせてもらいました。壱番屋に入った後も、こうした考え方が自分のベースというか、軸になっていたので、ほかの人よりも早く仕事を覚えることができたと思います。ココイチの店舗で働いていた時代を振り返っても、そんなにつらいとは感じませんでした」

独立めざして入社

――壱番屋には料理人として入社したのですか。

「違います。壱番屋には『ブルームシステム』という独立支援制度があります。ゆくゆくはフランチャイズチェーン(FC)のオーナーとして独立するために、店舗勤務を経験した後、店舗運営まで任せて経営者としての能力を磨いてもらう制度です。この制度に応募して中途採用で入社しました」

「壱番屋に入ったのは将来、自分の店を持ちたかったからです。当時はバブル経済だったこともあり、ホテルでコックとして働くうちに、自分で商売をしたくなったのです。まず、壱番屋でFCのオーナーとして独立させてもらおう、その後に自分のレストランをやればいい、と考えたのです」

――独立しなかったのはなぜですか。

「3年ほどして本部から、独立するか、本部で店舗を取りまとめるスーパーバイザー(SV)になるか、尋ねられました。上司からはSVになることを勧められましたが即断できず、半年ほど悩んだ末、SVになることを決めました。まだ27歳と若かったですし、社会のこともよく分かっていませんでしたので、本部でいろいろ勉強したいと考えたのです」

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