Galaxy1位 2万~5万円のスマホ8機種実機比較
2~3年前は、新しいスマートフォンを購入すると、一定額が毎月の通信料から割り引かれるのが主流。キャンペーンによってはハイスペックなスマホをかなり安く購入できた。
しかし、それも今は昔。キャリア大手3社は、2年後の端末返却を前提にした割引プログラムを継続するが、割引額は昔ほど大きくない。また、au、ソフトバンクは2年後の買い替えが条件なのも不自由だ。
3万~5万円のミドルレンジを比較
そこで候補に入れたいのが、半額プログラムを使わなくても3万~5万円で購入できるミドルレンジスマホ。最近は大手キャリアもミドルレンジスマホの充実に力を入れており、ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia」やサムスン電子の「Galaxy」などの人気ブランドからもミドルレンジスマホが出るようになった。
以前の低価格スマホは質感が安っぽく、おサイフケータイなどが使えないことが多かったが、昨今はミドルレンジも一部で有機EL画面を採用するなど、品質や機能が大幅に向上している。本体代金を一括で支払えば、SIMロックを解除して他キャリアで使うことも基本的には可能だ。
もちろん価格だけを見れば中古のハイスペックスマホを購入する手もあるが、デジタル機器に詳しい作家の戸田覚氏は「新品なのでバッテリーのヘタリがなく、メーカーの1年保証があるミドルレンジの新品の方が薦めやすい」と言う。
今回は、3大キャリアの19年夏モデルスマホから、2万~5万円で購入できる8モデルをピックアップして比較した。プロセッサーとカメラの性能は、実際にテストを行った。
メモリー容量、カメラ機能、CPU性能などを比較
ミドルレンジスマホを長く使うという観点では、メモリー(ROM)の容量が十分にあるものを選びたい。microSDカードで保存容量を増やせる機種もあるが、アプリはmicroSDカードに保存できない。本体のROM容量が非常に重要で、できれば32GB以下の機種は避けた方がよい。また、国内でも普及が進むキャッシュレス決済のためにも、FeliCa機能はぜひ欲しいところだ。
これらの2条件で絞り込むと、Pixel 3a、Xperia Ace、LG style2、Galaxy A30の4機種が残る。次に、すっかりスマホの主要な用途になったカメラ機能を比較する。最近は、背面に複数のカメラを搭載し、超広角で撮影できるようにした製品が増えている。先ほどの4機種のうち、超広角で撮影できたのはLG style2とGalaxy A30の2機種。両者を比べると、有機ELを採用したGalaxy A30の方が画面が見やすく、CPU性能も高かったのでベストとした。
ただし、カメラよりもテレビのワンセグ放送を重視するなら、LG style2も候補になる。なお、CPU性能を測るテストではグーグルのPixel 3aがトップ。背面カメラは1つしか無いが、ゲームなどで本体の処理スピードを重視するなら有力になる。また、本体の小ささを優先するならXperia Aceが向く。
次ページから各機種の詳細を解説する。
(注)実勢価格は9月中旬調べ。CPUテストはベンチマークアプリ「Antutu Benchmark」のCPUスコア。「広角撮影」は35mmフィルム換算で焦点距離20mm以下を「◯」の基準とした。広角の焦点距離は、撮影した写真のEXIF情報やメーカー公称の画角から編集部で求めた。
(注)HUAWEI P30 lite Premiumのカメラ画角は編集部で算出。
一般的にバッテリー容量が大きい機種ほど駆動時間が長いといわれる。90分動画を視聴する簡単なテストで消費量を比較した。液晶よりも消費電力が少ないといわれる有機EL搭載機は、確かにバッテリー消費量が少ない傾向があった。発熱を調べるテストでは、Galaxy A30が好結果。一方で、小型なXperia Aceは、実際に触ってみてもやや熱いと感じた。長時間使用するときは注意したい。
(日経トレンディ編集 大橋源一郎、ライター 岡本ゆかり)
[日経トレンディ2019年11月号の記事を再構成]
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