6月1日からNTTドコモが提供を開始するスマートフォン(スマホ)の新料金プラン「ギガホ」と「ギガライト」。ドコモが初めてスタートする「分離プラン」ということで注目を集めている。この「分離プラン」とはいったいどんなものなのか。ライターの松村武宏氏が解説する。
◇ ◇ ◇
Q:「分離プラン」とは何を分離させたプランなのですか?
A:「通信サービスの月額料金」と「端末の本体代金」を分離させたプランのことです。
Q:従来のプランは分離していなかったのですか?
A:従来は通信サービスの契約と端末販売が分離されておらず、密接に絡んでいました。通信サービスの契約期間や指定の料金プランへの加入などを条件に、毎月一定額の割引を設定することで 「端末の本体代金」を安く見せるという割引施策がどの大手キャリアでも採用されていたのです。
たとえば本体代金が3万円、月額料金が2000円の場合、2年間の支払いは3万円に24カ月分の月額料金4万8000円を足した7万8000円になります。ここで月額料金を1000円割り引くと、2年間の支払いは2万4000円少ない5万4000円になります。
この5万4000円から割引前の月額料金4万8000円を差し引くと、6000円が残ります。このように考えることで、「3万円の端末でも、2年間使い続ければ2万4000円の割引によって、実質的に6000円で買える」としていたのです。
この6000円のように、月額料金の割引分を端末代から引いた金額のことを「実質負担額」と呼んでいました。
Q:分離プランの導入で今までとは何が変わるのですか?
A:端末代と月額料金を分離することで、「端末代+月額料金-割引額」の関係が維持できなくなるため、「実質負担額」という概念がなくなります。通信サービスの月額料金と端末代が合算請求されるのは今までと同じですが、端末の購入と引き換えに月額料金が割り引かれることはなくなります。
Q:分離プランはドコモしか導入していないのですか?
A:auやソフトバンクは、すでに分離プランを導入しています。
auは2017年から分離プランを導入。6月1日からそれを改良した「新auピタットプラン」「auフラットプラン7プラス」を開始します。ソフトバンクが2018年から始めた「ウルトラギガモンスター+」「ミニモンスター」も分離プランです。
大手キャリアにおける分離プランの導入に関して言えば、ドコモは最後発ということになります。
またMVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する「格安SIM」の料金プランにおける月額料金も、端末の代金とは分離されているので、分離プランとみなすことができるでしょう。
いくら安くなるかを試算
Q:月額料金は安くなるんですか?