日経ヘルス

2019/10/4

首の付け根にある頭蓋骨の下端から両手の指を2本ずつそろえて当てる。このうち、人さし指が触れる部分に「下頭斜筋」がある。

首の第1・第2頸椎を斜めにつなぐのが「下頭斜筋」。首を横にひねる「回旋」の動きを担い、首が前傾したスマホ姿勢で左右に目を動かすと、特に固まりやすい。

あお向けで顔を正面に向け、首の付け根に両手の指2本をやさしく添える。人さし指に触れる筋肉が動くのを意識しながら、ゆっくり3秒かけて20度右に向く。3秒で中央に戻り、左側へも同様に。5往復繰り返す。次に、動かす筋肉の位置がわかったら、指をはずして行う。手を上げないほうがリラックスしやすい。指で確認した筋肉の位置と動きを意識しながら、ゆっくり3秒かけて20度右に、3秒で中央に戻すのを、左右合わせて15往復繰り返す。

ここでは枕としてバスタオルを使う(タオルを数枚重ねてもOK)。首のカーブに沿う部分が少し高くなるように折り畳み、後頭部と肩が同じ高さになるように調整しよう。

首をねじるつもりで、頭頂部だけを横に倒すのはNG。頚椎上部で硬くなりがちな「下頭斜筋」による「回旋」の動きが引き出せず、筋肉をほぐす効果が得られない。

「後頭下筋群は複数の筋肉からなり、STEP1と2ではそれぞれに異なる動きを引き出して“筋膜がはがれやすい土台”をつくる」と上田助教。

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後頭下筋群のうち後頭部の頭蓋骨と、第1・第2頸椎をつなぐ「小後頭直筋」「大後頭直筋」がターゲット。どちらも首を伸ばす動きを担う。

頭蓋骨の下端から両手の指を2本ずつそろえて当てる。首の付け根で、指2本のうち上側の中指が触れる部分に「大・小後頭直筋」がある。

バスタオルを畳んだ枕を置き、首の付け根に両手の指2本を添える(上の写真を参照)。ゆっくり3秒であごを20度上げ、3秒で戻すのを5往復繰り返す。次に、手を外してリラックスしたまま、ゆっくり3秒かけて同様にあごを20度上げ、3秒で戻す。狙った筋肉の位置と動きを意識しながら、15往復繰り返す。

【CHECK!】正しい動きをつかむため、耳下のくぼみに指を当てながら、あごを軽く上下させてみよう。ここを軸にして動かすことで、深層筋の狙った部分がほぐせる。【これはNG】首を大きく反らせると、表層の筋肉が働いてしまう。深層筋の微細な動きを引き出すには、必ず20度で、あごを小さく上下させる。

首の後ろ側で後頭部と背骨をつなぎ、首を伸ばすときに働く筋肉が「頭半棘筋」と「頭板状筋」。深層にある後頭下筋群よりも表層側にある。これらの筋肉と、後頭下筋群との間にある筋膜同士が硬直したり・癒着したりすると、首こりが起こる。