定年後の転職は遅すぎる 仕事激変の未来に今から備えミドル世代専門の転職コンサルタント 黒田真行

2019/9/27

先見性を高めるためにできること

では、長期的に未来を予測し、先見性を高めるにはどのようなトレーニングができるのでしょうか?

先見性を構成するメカニズムを分解すると、「過去から未来への変化の事実をたどる力」と「ものの見方・感じ方・考え方」の二つのものさしが重要なカギを握っています。もう少し細かく具体的に分類すると、

・過去からの変化の流れをとらえる「歴史観」

・個人の視界だけではなく世の中の動きを見る「俯瞰力」

・自分ならではの意思・志向を深める「思考力」

・考えるだけでなく、経験値を増やす「行動力」

というような力を磨くことが、未来を読む力によい影響を発揮します。

そのために、特に以下の三つの行動習慣をお勧めしたいと思います。

(1)日常的に過去から学ぶ習慣づけをすること

(2)未来に近い情報との接点を意識的に持ち続けること

(3)自分なりに過去・現在・未来の線を結ぶ志向をする習慣をつけること

(1)日常的に過去から学ぶ習慣づけをすること

「歴史は繰り返す」という言葉がありますが、人間の営為には必ず反復することや状況に合わせた傾向があります。過去、どんな時にどんなことが起こり、それが成功したのか、失敗したのか、そこから学べることはあるのか? 歴史に敬意をもって接し、学ぶ習慣を持つことで得られるパターン認識の利点は見過ごせないものがあります。

(2)未来に近い情報との接点を意識的に持ち続けること

人は、年齢が上がるほど変化に疎くなりがちです。新しいものへの興味を失い、好奇心も減退します。この精神的な老化現象は、一度諦めてしまうと、加速度的に進んでしまいやすくなります。特に、未来につながる変化には、できるだけ多く触れておいた方がいいと思います。2018年2月、当時82歳という年齢でプログラミングを学んでスマートフォン用アプリを開発した若宮正子さんが、ニュ-ヨークの国連でスピーチをして世界で話題になりましたが、今後、好奇心を持つか持たないかという意思の力は、大きな個人差を生むことになると思います。

(3)自分なりに過去・現在・未来の線を結ぶ思考をする習慣をつけること

自分のやってきた仕事やその周辺の業界など、できるだけリアリティーがあるテーマについて、過去から現在、現在から未来がどう変化していくのかを、自分の言葉で思考することも未来予測力を高めるトレーニング効果を生みます。自分の頭で考え、「自分なりの論」を作るトレーニングをすることは、自己信頼にもつながります。評論家ではないので、「未来を言い当てること」が目的ではありません。仮説を立てるチカラ、検証するチカラを鍛え続けることが目的だと捉えて、ぜひこれらの習慣づけに挑戦してみてください。

自分で考えて備えることができれば、想定外の状況になる可能性は確実に減り、先が見えないことによる不安もなくなります。自分の能力で、自分のキャリアをコントロールできている状況を、ぜひ構築してほしいと思います。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。

黒田真行
ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。1989年リクルート入社。2006~13年まで転職サイト「リクナビNEXT」編集長。14年ルーセントドアーズを設立。著書に本連載を書籍化した「転職に向いている人 転職してはいけない人」など。「Career Release40」http://lucentdoors.co.jp/cr40/

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