「今は日本のプロレスを海外に輸出しようと動き始めています。英語字幕をつけた動画を配信し、ニューヨークでは試合を開催しました。現地のファンは配信した動画を見ているので『青コーナー!』って日本語でアナウンスしても盛り上がるんです。すごいでしょ」

――(岩元)サッカーでも、社長が選手出身かビジネスマンかで、せめぎあいがよく起きます。プロレスラーではないメイさんが社長になる難しさはないですか。

■経営トップに必要なコミュニケーション

「確かにスポーツ会社特有の難しさはあります。歴代の社長はレスラー出身が多く、我々のようなビジネスマンは背広組と呼ばれるくらいです。そこへいきなり、プロ経営者と呼ばれている僕が入ってきた。『大丈夫なの?』と思った人は社内にもいたと思います。でも、外からの力がないと、しがらみを変えていけないのです」

「プロレスは日本でこれ以上の市場拡大は難しいです。年間に150試合くらいあり、満員率は95%ほど。日本の人口が減っていくことを考えると、海外市場を視野に入れるべきです。でも、これまでの新日本プロレスでは海外展開を考える人はいませんでした。こういうときには、全く違うスキルとか考え方をもつ、僕みたいな経営者を呼び入れることが必要になる。僕が社長就任を決めたのは、プロレスが大好きだということが一つですが、自分の経験やスキルでこの会社のために貢献できると確信できたからです」

――(古賀)いろいろな会社で、マネジメント層として活躍する秘訣はなんですか。昔からいる社員から反発もあると思うのですが。

「反発はもちろんあります。だから、誰にも負けないくらい僕はこの会社を愛しているんだというパッションをもつようにしています。例えば、サンスターに入った時は会社を退職したOBを何人も訪問しました。あいさつしておしゃべりして帰ってくるんです。そうすると、そのOBから部下に『メイさんがウチに来た』って伝わる。熱心にいろいろ聞いて行ったよ、ちゃんと何かやろうとしてるみたいだよって。そうすれば、メイさんはいい人かもしれないなって思ってもらえるかもしれないじゃないですか。そういう積み重ねで、パッションがあることを示してきました」

「あと、社員とのコミュニケーションも大事にしています。今も、選手の誕生日にはバースデーカードとか、その人が喜びそうなものをちょっと送ったりします」

――(岩元)それはすごい。社長がコミュニケーションをとってくれるのは選手もすごくうれしいんです。

「試合会場にもできるだけ行き、ファンとも交流します。試合会場で僕に会えたら、ステッカーがもらえるんですよ。それを知っているファンの方たちは、会場で僕のことを探してくれます。そうすると、会社のことや試合のこと、レスラーのことなど、ファンから直接、話を聞けるんです。耳の痛い話も聞きますが、ファンの皆さんが『最高でした』なんて言ってくださると、仕事へのモチベーションがわいてきます」

「ところでみなさんはプロレスは好き?」

――(一同)実はあまり詳しくないんです。

「じゃあ、今日からファンになりましょう。最近は観客の4割が女性ですよ。プ女子って呼ばれてます」

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