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ヒットを狙え

4カ国で『エヴァ』公開前イベント 同時多発中継で

日経クロストレンド

2019/9/13

プロモーションイベントはJapan Expoの大きなホールYUZUで開催された(写真:吾妻拓)
日経クロストレンド

巨大スクリーンにエッフェル塔が映し出されると、足元から突き上げるような歓声、笑声、そして拍手が入り交じった空気の振動が伝わってくる。2020年6月公開の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』から10分40秒00コマの本編映像が上映され始めた直後、4000人が集まった「Japan Expo」(JE)のイベントホールに、待ちかねていたエヴァ・ファンの7年分のエネルギーが一気に放出されたかのようだった。JEを拠点に実施したプロモーションイベントは「『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦 LIVE」。JEでのイベントを核として、日本、中国、そして米国、国境を越えて連動させた。

フランス時間の7月6日13時15分から始まるイベントを、日本では同日20:15から札幌、東京の2カ所、名古屋、大阪、博多の5都市6会場で同時生中継。LINE LIVEで配信した映像は、上海の特設会場でも同時上映され、さらにその模様が中国の動画配信サイト「ビリビリ動画」などを使って同時配信された。時差の関係で同時ではなかったが、米ロサンゼルスで開催された「Anime Expo」でも同じ7月6日20時に映像が上映された。本編映像は7月6日の21時から、名古屋、博多、新宿、渋谷、池袋、秋葉原、6カ所の大型ビジョンでも上映された。

福岡・博多での同時中継の様子(写真提供:東映)
東京・新宿会場には850人が集まりイベントを見守った(写真提供:東映)
中国・上海会場の様子。映像は、動画配信サイト「ビリビリ動画」などを使って同時中継された(写真提供:東映)

イベントでは、エヴァのテーマ曲などを歌う歌手の高橋洋子が「TENSIONS」「残酷な天使のテーゼ」など5曲を歌うステージを展開。そのあと碇シンジ役の声優・緒方恵美がゲストとして登壇して、エヴァについてのトークで会場を盛り上げた。フランス人通訳が2人の発言を翻訳するたびに、多数の立ち見ファンもいる広いホールが沸く。イベントの最後に上映されたのが冒頭の本編映像だった。

計5万人の集客を目標としたイベントはフランスで4000人、日比谷に1300人、新宿は850人、上海は1000人など。会場の規制もあり入場者数は制限されたが、新宿会場の整理券は配布を発表して2時間で無くなったという。中国では動画のリアルタイム視聴者、イベント会場、LINE LIVEの視聴者などを合わせて約150万人に達したという。映画公開の1年前のプロモーションとしては極めて異例の大規模プロモーションとなった。

7月6日のJEのイベントの様子。高橋洋子のステージのあと、緒方恵美を交えてのトークで会場を盛り上げる(写真:吾妻拓)

■公開1年前に何かしたいよね

仕掛けたのは総監督の庵野秀明氏が代表を務めるカラーとグラウンドワークス、キングレコードの3社に東映などが加わった宣伝チーム。その1人で東映企画調整部 兼 映画興行部の次長でプロデューサーの紀伊宗之氏は「前作から7年もの間があき、庵野総監督からも1年くらい前に何かやったほうがいいのではと言われていた」と語る。

上映1年前にひと山作りたい、と考えたのは、コアファンに対して20年に新作が上映されることを知らせるため。前作の公開から7年もたち、ファンの生活も当時とは変わっている。子育てなどの生活に忙しく、最後の作品が上映されることに気付かない人もいるかもしれない――高橋洋子が18年に引き続きJEに出演するのは決まっている。パリが舞台の新作プロモーションをJEで実施できないかと考えたのだという。

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