大人のベージュパンツ=スリムフィットのイタリアものというお決まりの方程式が支配していたのは一昔前まで。トラッド復権&ミックススタイル全盛の現在は、シルエットもデザインもブランドも、かつてない多様性を楽しめる時代だ。今、改めてベージュパンツを見直そう。新しい発見がたくさんあるはずだ。
[ “今”な王道STYLE1週間 ]
Mon.
“今の王道”はいつもここにある
ラルフ ローレン パープル レーベルは、コンサバ男にとってひとつの到達点だと思う。不変のスタイルがあって、いつも同じように見えるけれど、実は常にアップデートを重ねている。素材も仕立てもとびきり上質だ。一見なんてことないベージュの綿パンも、肌触りが驚くほど滑らかで最高に心地いい。シルエットも絶妙なスリムフィットで、ベタにツイードジャケットとBDシャツを合わせても全く古臭く見えないのだ。いつの時代も、ど真ん中の王道を行く。最高に痺れるね。
Tue.
ハンドメイドのオーラを知った日
今、世界で最も人気のあるビスポークパンツ、アンブロージ。その既製品を試してみたが、いやはや人気があるのがよくわかった。ゆったりとしたワタリ、強いテーパードライン、そして随所に見える手縫いならではの温もり。見る人が見れば、すぐにアンブロージとわかる強烈な個性がある。マスプロダクトにはない趣味性こそ人気の理由に違いない……まぁ、とはいえビジネスシーンで“それどこのですか”なんて訊かれはしないのだけど。わかる人にだけわかればいいのだ。
Wed.
あえての直球、そんな日もいい
トラッド復権といわれてしばらく経つが、最初は味付け程度の“トラッド風”だったのに比べて、最近だんだんとその濃度が高くなってきているのを感じる。というわけで、久々に直球のトラッドスタイルをしてみたくなった。紺ブレにベージュパンツ、Vゾーンはタータンチェックシャツにドットタイ。シルエットこそ今風だけど、合わせは往年のド定番だ。このジェルマーノは、サンドベージュっぽい発色のガシッとしたコットンツイル生地。イタリアブランドだけどツヤっぽくない。ミックススタイル全盛の今こそ、“ベタ”の良さもよくわかるね。