Thu.
インか、アウトか。コンサバ男の自問自答
スーツから始まったプリーツパンツ復活は、いまや単品パンツにも波及している。そこで考えなくてはいけないのは、1プリーツか2プリーツかに加え、プリーツの“向き”について。一度両方穿いてみることにしよう。
木曜日はアウトプリーツ。やはりこれが正統派に感じる。このロータはプリーツがしっかり深いので、腰から裾までクリースラインが一直線に落ちて、脚がスラッと見える印象だ。イタリア色の強いクラシックな服装がよく似合う。

Fri.
金曜日はインプリーツ。英国ものに一般的な仕様だが、これはプリーツのラインが内側にカーブするのが特徴的。腰回りが少し丸く見えるので、服装も柔和な印象になるようだ。キリッと引き締めるならアウト、まろやかに見せるならイン。これが選びの基準かな。

Sat.
こういうのを“ベーシック”というのだ
ポロカラーシャツにストライプタイ、紺ブレザー……ブルックス ブラザーズには色々なベストセラーがあるけれど、実はこのチノパンも隠れた名作だと思う。ゆったりしたワタリに裾幅約22cmのワイドストレート。ベリー・トラッドな佇まいが最高だ。本来はこれにジャケットを合わせてきっちり着るんだろうけど、今ならオーバーシャツをサラッと着て寛いだ休日着にしたい。椅子に座ったとき窮屈じゃないところも気に入った。着方は変われど時代を超える。これぞ真のベーシックだ。

Sun.
これは凄い掘り出しものだ!
老舗のトラッドブランドでは時折、びっくりするような掘り出しものに出会うことがある。エル・エル・ビーンの「ダブル・エル・チノ」もそのひとつ。6900円という破格の値段ながら、穿いてみると実に調子がいいのだ。腰回りは適度にフィットしつつ、ワタリから裾がストンとしたストレートレッグ。ワイドなのにダボつかない絶妙のバランスだ。しかも股下の長さも選べるという親切さ。これはいい買い物をしたなと上機嫌で馴染みの古書店を訪ねたら、超レアな写真集を発見。今週はツイてるな!

※表示価格は税抜きです。
撮影/平山太郎 スタイリング/四方章敬 ヘアメイク/TANO(Cutters) 構成・文/小曽根広光 撮影協力/iconic、GLITCH COFEE&ROASTERS、HOBGOBLIN ROPPONGI、東塔堂
[MEN’S EX 2019年9月号の記事を再構成]
SUITS OF THE YEAR 2020
新型コロナウイルスの影響で、2020年は初のフルCGで作成した会場でのバーチャル授賞式。
時代の節目に挑み、大切なメッセージを放つ5人を表彰した。