経営学ぶならダメな会社 カリスマ経営者の意外な提案星野リゾート 星野佳路代表

――(石崎)代々続く旅館を一度壊して新しく星野リゾートを作られたそうですが、普通は受け継いだものを壊すのは難しいことだと思います。それでもチャレンジできたのはなぜですか。

私にはビジョンがあったんです。海外のホテルが日本に攻めてきて地方にも進出しようとしているときに、日本の運営会社が守りに入ってはいけない、むしろ世界へ飛び出して活躍できるようなホテル会社になろうというのがビジョンです。

ビジネスで新しい案件が出てくると、皆リスクで判断するのです。リスクとリターンってよく言いますね。このリスクは得られるリターンに見合わないとか言ってやめちゃったりするのです。でも私はまったく違う見方をしていて、行きたい場所が向こうに明確にあってそこに真っすぐ行きたい。脇道にローリスク・ハイリターンな仕事があっても、私はそこに寄り道したくない。

「伸ばすスキルを特定しようと思いながら仕事をするのがいい」(星野氏)

行きたい場所へ行くには乗り越えなくちゃいけない山がいくつかあるのです。それは、はっきり言ってハイリスク・ローリターンなのです。でも私はそのリスクをとる。行きたいところへ行くというのが我々のビジネスの最大の行動基準なので、リスクとかリターン、コストパフォーマンスに振り回されてはいけないというのが我々の考え方です。

世界はもともとカオス 20代は自分が伸ばすスキルを探そう

――(濱村)私は就職活動中なのですが、最近は選考時期に関するルールが変わるなど、カオスな状況の中にいる感じがして不安が大きいです。

私が卒業した時期って、同世代が色々な金融機関に就職しましたが、結局皆同じ銀行になってしまったようです。あのときの選択はなんだったのだろうかとも思います。日本経済の世界での相対的な位置は落ちているし、会社にも国にも頼れない、そんな中では自分のスキルを最短で高めないといけないでしょうね。

それに世界ってもともとカオスなのです。日本だけ秩序があるという考えが違う。カオスな世界の中に日本経済があるわけですから、つまり最初からカオスなわけで、秩序があるように見えて、実は幻想だったということです。

――(平河)カオスな世界の中で、20代はどのように設計するのがいいと思いますか。

自分の伸ばすべきスキルを特定した方がいいと思います。できれば1つに。それを特定しようと思いながら仕事をするのがいい。もう一つは競争の少ない分野を選んだ方が良い。最近は人工知能(AI)ってよく言いますが、10億人以上の人口を抱えるインドが、国をあげてコンピュータサイエンスに注力しているのです。そんなところに本当に入っていくのですか、と疑問に思います。

――(U22)若い頃を振り返って、こうしておけばよかったというのはありますか。

私は31歳で父の会社を継ぎ、41歳で初めて、軽井沢という自分の場所を越えて展開し始めたのです。この10年が長すぎたと反省しています。もっと早く、実家の旅館にけりをつけておけばよかった。もっと早く展開できたら今はさらに高いところへ行けたじゃないですか。当時の自分には、もっと自信過剰でいいと言いたいですね。

目指すものを持つのは企業でも自分のキャリアでも大事です。そうすると迷わず、越えなければいけない山は越えるし、行かなくてもいいところへ行かなくなりますから。

(文・構成 安田亜紀代)

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