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スイス・北欧…日本酒未開の地 大阪の父子3人が挑戦世界で急増!日本酒LOVE(12)

京都の蔵元に欧州の日本酒関係者を連れてツアー訪問した佑太朗さん(左から3人目)

日本酒の海外への輸出量は年々増加しているが、「輸出先を見ると、75%以上は米国・韓国・中国など上位5カ国が占めている状態。欧州はごくわずかで、世界全体でみるとまだまだ日本酒が広く流通しているとは言えません」と佑太朗さんは見ている。

欧州に輸出拡大させるには、商習慣・文化・物流などのトランスレーション(翻訳)の作業が大事だと彼は考える。例えば現地では、「この日本酒はどんな料理に合うの?」と質問されるが、日本人は「どんな料理にも合います」と答えがちだという。具体的に「特に白身魚に合います。肉のステーキに合います」と答えないと、買ってもらえないのだ。会話の背景にある、文化のトランスレーションができていないため、こういうことが起きてしまうという。

言葉が通じるから必ずしも日本酒が売れるわけでない。各国の商習慣や文化、物流などの違いを理解した上で、うまくトランスレーションしないと日本酒は売れない。それがなかなか難しい。

ギリシャの食品展示会で現地のディストリビューターと日本酒をPRした。右から2人目が佑太朗さん

佑太朗さんは今夏、海外で日本酒ビジネスを手がけたい国内外の人向けのBtoBサイトを立ち上げる予定だ。各国の関税や、蔵元がどのように現地ディストリビューターに日本酒の特徴を伝えたらいいかなど、プロ向けの情報をまとめた「IKKI」と題したサイトを日本語と英語で開設する。

これまで、日本酒の輸入を検討している人から、こんな不満を言われることが多かった。「日本酒の事業に興味があるけれど、勉強する場所がない。英語で書かれた本は少なく、日本語の本などは読めない。さらに複数のウェブサイトや機関に情報が分散していて、色々なところに問い合わせるのが面倒だ」。そこで情報を一元管理できるサイトを立ち上げることにした。

アジアでは、弟の研二朗さんも奮闘。現地からの引き合いも入るようになってきた。「こちらも現地和食店ではなく、タイ料理やマレーシア料理店に日本酒を提案していくやり方なので、5~10年後のために種まきしている感じです」と、兄の佑太朗さんは弟を励ます。

世界中のレストランで、「お飲み物は?」と聞かれたら、客がビールやワインと同じように日本酒を候補に上げてくれる日を夢見るという小林親子。3人で力を合わせて、まずは欧州をメーンに日本酒を広める取り組みを続ける。

(国際きき酒師&サケ・エキスパート 滝口智子)


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