第一印象が悪いと言われます
女優、美村里江さん
「あなたは第一印象が悪い」と妻から言われます。人には優しく接しているつもりですが、結婚して四十数年たった今も変わらないようです。どのように心掛けたらよいのか、ひとり悩んでいます。(愛知県・60代・男性)
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奥様とは長く時間を共にされてきたのですね。しかし40年たって評価がそのままとは、手厳しい。対して相談者さんは指摘を素直に聞き、変わる努力をなさっているご様子。それで本当に40年以上変わらないなんてこと、あるのでしょうか? 私がパッと想像したのは3つです。
(1)第一印象が悪いと感じたのは若いころの奥様ご本人で、今もそれを引きずっている
(2)奥様が別の大事な誰か(親御さんや恩師など、影響力の強い方)から言われて、ショックを受けた経験がある
(3)本当に周囲からそのように見られ続けている
(1)と(2)は、奥様の強迫観念でもあるので、相談者さんはあまり気にすることはないと思います。妻として案じるなら、表情をもっとこうすればとか、服を変えたらとか、いくらでも一緒に改善の道を探れるからです。ところが「ひとり悩んでいる」とのこと。奥様の指摘が代替案なき否定になっているとすれば、お辛いですよね。
一方で、奥様に悪気があるとも思えません。もしかしたら、「(中身がそうじゃないのを妻の私はよく知っているけれど)あなた、第一印象悪いんだから!」という、戯れの一種なのかもしれません。それにしても、言われ続けて40年は長い。
ご自分が気にされていることをどうしたら改善できるか一緒に考えてほしいと、奥様に率直にお話しすることをオススメします。
そのうえで、だれでも簡単にできる解決法を申し上げます。中身が伴わなければ虚(むな)しいだけですが、私たち芸能人はイメージ商売の面があるので、ご参考になるかと。
一昔前、役者は「憧れ」要素が重要でした。いまは「身近」が好まれるようになりましたが、「笑顔と清潔感と品性」は常に重要視されています。就職活動中の学生が面接時に気にする点と同じですね。本当の人間性なんて長く付き合わなければ分かりませんが、第一印象でその後の人間関係が7割方決まるという統計もあるそうですから、心がけて損はないかと。
それなりに清潔感のある服装で、少し口角を上げていれば、十分と感じます。ただし、「笑っているつもり」がそう見えていない可能性も多くありますので、鏡の前で「客観的に感じのいい笑顔」の練習をしてみてください。
[NIKKEIプラス1 2019年7月20日付]
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