サンドウィッチマンが芸人1~3位を独占 千鳥が猛追
タレントパワーランキング2019 芸人編
2019年版タレントパワーランキング芸人編の1位は2年連続でサンドウィッチマン。2位伊達みきお、3位富澤たけしと、トップ3を彼らで独占した。4位は博多華丸・大吉。この2組を猛追しているのが、同じく仲良しコンビで地元愛が強い8位の千鳥だ。
日経エンタテインメント!が発表している「タレントパワーランキング」は、アーキテクトが3カ月に1度実施している、タレントの「認知度(顔と名前を知っている)」と「関心度(見たい・聴きたい・知りたい)」の調査を基に、2つのデータを掛け合わせて「タレントパワースコア」を算出、ランキング化したものだ。(調査の詳細は総合編の「タレントパワー サンドウィッチマン大躍進で初の1位」をご覧ください)
認知度の鍵となるテレビで存在を知ることが多いため、全体的にパワースコアが高くなる芸人勢。近年は圧倒的なオーラを持つ大物というよりは、親近感のあるタイプが上位に来るようになり、その傾向は今年も顕著だった。なかでも、2年連続で芸人部内の首位を獲得し、総合ランキングでも王座に就いたサンドウィッチマンの勢いが止まらない。伊達みきお、富澤たけしはそれぞれソロでもスコアを伸ばした。
4位にはサンドと同様にコンビ仲の良い、博多華丸・大吉がランクイン。華大は2018年4月から『あさイチ』(NHK総合)の司会を担当し、"朝ドラ受け"も好評。好感度の高さをキープしている。
『チコちゃん』で岡村に光が
ランキング全体を見ると、サンドと華大と同様に、民放に加えてNHKで印象的な活躍を見せる人気者が目立つ。6位の内村光良は『LIFE!~人生に捧げるコント~』が定着しており、2年連続で『紅白歌合戦』の総合司会を務めた。国民的スターである7位のタモリは『ブラタモリ』に固定ファンがついており、9位の明石家さんまは16年から不定期で『明石家紅白!』に出演している。24位に順位を上げた岡村隆史は、18年4月からレギュラー化された『チコちゃんに叱られる!』が絶好調。19年2月には、土曜午前中の再放送枠で視聴率18.0%を記録した。
また、共感を集めるキーワードには、サンドや華大にも共通する"地元愛"がある。岡山出身の千鳥は、前回の32位から8位に大躍進。くりぃむしちゅーも、熊本地震の復興支援でチャリティーを続けているコンビ。今回は20位から14位へと順位を上げた。
12位のイモトアヤコは、長年ファンであることを公言してきた安室奈美恵と対面した『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)の台湾ロケ企画が、瞬間最高視聴率25%を記録した。
オードリーはコンビとしてはスコアを落としたが、若林正恭が単独で18位にランクイン。研究員としてレギュラー出演する『激レアさんを連れてきた。』(テレビ朝日系)が評判になったほか、日本テレビで10月クールに放送されたコントバラエティ『犬も食わない』で水卜麻美アナと共にMCを担当した。
21位には、44位から順位を上げてバカリズムが浮上。バラエティで変わらず活躍しながら、18年4月には向田邦子賞を受賞したほか、特番の『バカリズムのそこスルーする?』や『ZIP!』(日本テレビ系)内で放送されたドラマ『生田家の朝』がギャラクシー賞を受賞するなど、クリエイターとしての才能も注目されている。今年1月には連ドラ『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』にも出演した。
ドッキリで株を上げた吉村
大きくスコアを伸ばした「急上昇」では、前回調査から18.3ポイント伸ばしたチョコレートプラネットが1位に。2位のガンバレルーヤは、『イッテQ!』などで体を張った活躍を見せて上昇した。
『水曜日のダウンタウン』(TBS系)で株を上げたのが、4位の吉村崇だ。10月放送のドッキリ企画で、ロケ中に"ヤバめ"な一般人に絡まれたときの振る舞いが神対応だったと高く評価された。
6位は『M-1グランプリ』で3年連続2位だった和牛。18年4月から『王様のブランチ』のコーナーレギュラーを持つなど、じわじわとテレビ出演を増やしている。チケットが即完売する人気ぶりから、テレビのみならず企業のキャンペーンでも引っ張りだこだ。8位のふかわりょうは『5時に夢中!』(TOKYO MX)司会をはじめ、『ひるおび!』(TBS系)や『AbemaPrime』(AbemaTV)と生放送で実力を発揮。9位の銀シャリ、11位のかまいたちはそれぞれ16年の『M-1』、17年の『キングオブコント』で優勝後、東京に拠点を移して全国ネットの番組で順調に露出を増やしている。12位の木村祐一は『チコちゃんに叱られる!』でチコちゃんの声を担当。決めゼリフ「ボーっと生きてんじゃねーよ!」は流行語大賞にもノミネートされた。
今回急上昇した芸人に共通するのは、ネタ、ロケ、トークと、ジャンル問わずインパクトを残してきた点。いわゆる"一発屋"と呼ばれるような売れ方をした芸人は含まれず、オールマイティーに笑いが取れる面々がそろった。
(ライター 遠藤敏文、内藤悦子)
[日経エンタテインメント! 2019年7月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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