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わずか34年で最高級ワイン フランチャコルタの奇跡エンジョイ・ワイン(14)

コルテ フジアのワイン

フランチャコルタ地域には、ベルルッキやジリアーニのベンチャー精神を受け継いでいるかのような、新進気鋭のワイナリーもある。その一つが、2010 年に設立された「コルテ フジア」だ。

山の斜面にあるコルテ フジアのブドウ畑

大学で農業を学んだジジ・ネンブリーニさんが28歳の時、大学で醸造学を修めた幼なじみのダニエレ・ジェンティーレさんと共同で立ち上げた。ブドウ畑はフランチャコルタ地域の南西の境界線上に位置する、標高380メートルのオルファノ山の急斜面にある。畑からはイタリア農業の中心地である肥沃なポー平原が一望できる。

フランチャコルタ地域は有名なワイン産地の中では面積が小さいほうで、新たに土地を開墾してブドウを植えるのは容易ではない。ネンブリーニさんは「(ワイナリー設立のための)お金探しも大変だったけど、畑探しも大変だった」と笑う。急斜面のブドウ畑は、15年ぐらい放置されていた耕作放棄地を所有者から借りたものだという。

3D地図を使って畑の説明をするコルテ フジアのジジ・ネンブリーニさん

生産量は現在、年間3万本。量では同400万本のベルルッキの100分の1にも満たないが、質の高さは老舗ワイナリーにもけっして引けを取らない。例えば、スタンダード・タイプの「ブリュット」は、果実味も酸味もしっかりとした爽快な口当たりのワインだ。ドサージュはしていないというが、酸が非常にやわらか。「畑が南向きの斜面にあるため日当たりがよく、ブドウがよく熟すから」とネンブリーニさんは説明する。

ちなみに、コルテ フジアの4種類のワインをすべて並べると、ボトルのラベルのデザインがオルファノ山のシルエットを描く。それくらい、オルファノ山の斜面に広がる畑は同ワイナリーの象徴なのだ。

発売後すぐ海外のバイヤーの目に留まり、早くも15年から輸出を始めた。日本にも量は少ないが輸入されている。「いずれ、ピノ・ネーロから赤のスティルワインも造ってみたい」と語るネンブリーニさん。長いワイン造りの歴史と、綿々と受け継がれる旺盛なベンチャー精神の融合がフランチャコルタに新たな進化をもたらすに違いない。

(ライター 猪瀬聖)


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