自分に適したインターンを選ぶ上で、就活サイトのインターンに関する評価は参考になる。
ただ、細かい情報はサイトに掲載されていないことも多い。合同説明会で企業側に社員の参加はどの程度あるのかや、フィードバックの有無、さらに現場に行けるかどうかなどを直接確認するといい。
実際に評価の高かったインターンの実施企業を取材した。
マイナビで大賞を取った三菱電機のプログラムは技術系の学生が対象だが、全国34拠点で247ものテーマが設定されている。現場で10日間、専門的な実体験ができる。学生は自分の専攻や興味に合わせて、実習に入る職場を選べる。優秀賞だったボッシュは、学生が3週間~2カ月程度の間、週に3~5日間ほど社員のように「出勤」する。配属部署は本人の専門や希望に合わせてオーダーメードできる。いずれも、たっぷりと現場経験できるのが人気の秘密だ。
「脳がちぎれるほど考える」と募集要項にあるソフトバンクの地方創生インターン「ツレテク」は、倍率50倍とも言われる人気ぶり。情報通信技術(ICT)を使った地方の課題解決策を、地方自治体や企業に提案する内容。昨年参加した男子学生は「初日からメンバー間で言い争いになるほど、白熱した現場だった」と振り返る。
インターンを受ける目的を明確に
一方、学生へのフィードバックで人気を集めたのが、展示会やイベントの企画、デザインなどを手掛ける昭栄美術(東京・中央)。昨年度、千葉県浦安市の市民祭りのパレードの一部をインターンの学生が企画製作、運営まで手掛けた。社内のコミュニケーションツールを使って企画の進捗を社員が確認し、学生からの相談にいつでも乗る体制を築くことで、綿密にフィードバックを返すようにしたという。
最後に、インターンに臨む上での心構えについて、リクナビを運営するリクルートキャリア就職みらい研究所の増本全所長に聞いた。
増本所長は「よく練られたインターンは、学生が成長できる場であることは間違いない」と強調。その上で学生に対し、「インターンで何を得たいかをよく考えてほしい。業界を知りたいのか。その会社の働き方を体験したいのか。目的をしっかり考えてから選べば、とりあえず横並びで人気企業のインターンに殺到するようなことはなくなるはず」とアドバイスしている。
(藤原仁美)