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仕事に役立つ「笑い」の作り方や活用の仕方を学べる物語仕立てのビジネス書

仕事に役立つ「笑い」の作り方や活用の仕方を学べる物語仕立てのビジネス書

「パワハラ上司になりたくない」「営業先で面白い話ができない」「若手がすぐにやめてしまう」……。あなたがもし、このような悩みや不安を抱えているとしたら、その主因は職場でのコミュニケーション不全ではないだろうか。本書『「ウケる」は最強のビジネススキルである。』は、対話を増やしながらチームの人間関係を円滑にする処方箋として「笑い」に焦点を当てている。コミュニケーションの苦手な主人公が七福神と出会い、「ウケる」ためのテクニックを教えてもらう物語形式のビジネス書だ。ストーリー展開を追いながら、仕事に役立つ「笑い」の作り方や活用の仕方を学べる構成になっている。自分から周囲の空気を変えてみたいという気持ちがある人に、お勧めしたい一冊だ。

◇  ◇  ◇

著者の中北朋宏さんは浅井企画に所属し、お笑い芸人として6年間活動しました。その後、人事系コンサルティング会社に入社。内定者の教育から管理職の育成まで幅広く関わります。2018年に株式会社俺を設立し、現在は代表取締役社長を務めています。

「笑い」は組織の潤滑油になる

中北朋宏氏

中北朋宏氏

「笑い」と聞くと、学ぶようなものではないと考える人も多いでしょう。しかし著者は「笑いは学べ、笑いの力で組織は変わる」と主張しています。そして、コメディーとコミュニケーションの造語である「コメディケーション」を提唱しています。

著者が人材会社で担当していた企業の多くは、社員がすぐに辞めてしまうことや、上司と部下が本音で話をできないことで悩んでいました。しかし、そこに「笑い」を導入すると、離職率の低下や営業成績の向上に大きく役立ちました。

 冗談も言えない環境で、本当に新しい発想や、クリエイティブなものが生まれるのでしょうか。私は、絶対に生まれないと思います。そして、ミスも許されずチャレンジすることもしなくなります。
(おわりに 292ページ)

営業トークでもPDCAを回す

主人公の深田は、かつてお笑い芸人を目指していた若手社員です。人を笑わせるのが好きでしたが、営業での目標が達成できず、部長から叱られる日が続いています。ある日、深田は七福神の布袋尊と出会い、布袋尊から「笑い」の指導をうけるようになります。例えば、うまくいくトークには一つの法則があることを布袋尊は指摘します。

「枕詞(まくらことば)」→「ディテール(フリ)」→「オチ」→「2度目のオチ」という構造です。芸人さんは、枕詞を変えたり、ディテールを変えたりして人前で話し、最も笑いがとれる形に改善しているのです。ビジネスでいうところのPDCAを、トークでも回すのです。

・枕詞……クスッと笑える話のタイトルをつける
・ディテール(フリ)……登場人物がどんな人物なのかイメージできるようにする
・オチ……登場人物のイメージとは正反対なことを言う(オチにはいろんなパターンがある)
・2度目のオチ……1度目のオチに笑いが少ないときのためにもう一つオチを用意しておく
(第2章 リアクションを実践してみる 65ページ)

具体的には次のようになります。

「枕詞」体重160キロの先輩の話なんですが→「ディテール(フリ)」太っていて体が本当に大きいので駅の階段をのぼっているだけで→「オチ」ヨボヨボのおばあちゃんに「上手にのぼれたね」と褒められるんです。→「2度目のオチ」あなただけには言われたくないわ、と思ったらしいです。

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