採用コンサルタントの谷出正直です。2021年卒(主に現大学3年生)向けインターンシップへのエントリーが本格化していますね。主要な就職ナビサイトが運営するインターンシップサイトを独自に分析し、今年の特徴についてまとめてみました。
分析対象は、リクナビ、マイナビ、キャリタスの3つです。2021年卒向けのインターンシップを実施する企業は、3サイトで延べ1万7千社で、前年(20年卒向け)の1.1倍となりました。8年連続の増加です。企業からすればインターンシップは学生に知ってもらうための絶好の機会ですので、ますます重要になっているのが分かります。ただ、伸び幅自体は鈍化しているようです。
インターンシップの実施日数は、1日で完結するいわゆる「1dayインターン」が相変わらず主流となっています。サイト掲載企業の4社に3社は「1dayインターン」を開催している計算になります。一方で、最近の傾向として、1日ではなく2~3日のインターンシップを実施する企業が増えています。
2~3日のインターンシップの実施主体として目立つのは、中堅・中小企業というよりはむしろ大手の有名企業です。大手の場合、採用説明会には何百人、何千人という学生が参加することが少なくありません。一人ひとりに目配せできる時間は限られています。インターンシップの機会を活用して学生と関係性をしっかりと築きたいという思惑があるようです。1週間~1カ月以上の中長期インターンシップについてはあまり変化は見られませんでした。
インターンシップの実施月については、昨年から夏(8月~9月)に行う企業が増えています。今年ももちろん夏が多いのですが、特徴としては夏本番前(6月~7月)の時期の実施が伸びています。企業としてはより早期から学生との接点を作っていく動きと見ていいでしょう。
学生からすれば気になる報酬や交通費支給についても調べてみました。まだ一部にとどまっているものの、報酬を学生に支払う企業も出てきています。また交通費については着実に増えてきています。家庭からの仕送り金額が減少し、奨学金を借りる学生が増えていることも背景にあり、報酬や交通費の支給が優秀な学生の参加につながるという認識が広がっているようです。