2019/6/13

――ではかなり自由にデザインができたのですか。

「ブルガリは『これはやりません』とはっきりしていますよ。僕はルールがあった方がやりやすい。『これは難しい』と相手にいわれたら次から次へと違う方向へ進むタイプなんです。革のブランドなので布とかナイロンはできません、とかね。デニムも革がベースです。トートバッグは僕がゼロから作るなら、くったりしたものを考えますが、形がしっかりしているでしょう。僕が出せるぎりぎりのブルガリらしさに挑戦しました」

トートバッグはストリートファッションと高級素材とを融合させた、都会的なデザイン

■ファッションはもっと、いびつなものでいい

――あらゆるブランドがコラボ商品に力を入れています。コラボビジネスの変化を感じることはありますか。

「昔はコラボの取り組みは面白そうだからやろう、という関係性から始まったものですが、今は良くも悪くもビジネスライク。ラグジュアリーブランドは2000年以降ストリート志向になりましたが、2015年からまたラグジュアリーに寄っていっているのではないかと思います。今回のブルガリとのコラボでも、守るべきブルガリらしさというのは高級感です」

柔らかな革を使ったトートバッグ
コレクションの基調色はホワイトとブラック。ブルガリとフラグメントのロゴが印象的だ

――多くのブランドがユニセックスやジェンダーフリーをうたい、男女の境界をなくす商品が増えてきました。

「それはファッションというよりライフスタイルでしょう。ファッションはもっと、いびつなものでいい。着心地が悪いものはファッションの中にはいくらでもあります。みんなのためだとか、着心地がいいとか、ジェンダーフリーでみなさんに着てもらうとか語らなくても、これが着たかったら無理してでも着て下さい、というものでいいのではないでしょうか」

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