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転職先は社員口コミ見て選べ 広がる情報源で社風確認

2019/6/9

東京・新宿駅の地下街に登場した期間限定の「社員クチコミ図書館」

転職にあたって、志望先の社風を事前に知ることは、なかなか難しかったが、状況は変わりつつある。実際に働いた経験を持つ人が書き込んだ「社員口コミ」が手がかりになる。社員口コミを転職支援のツールとして活用する企業も現れている。

◇ ◇ ◇

6月初旬の東京・新宿駅。普段の日であれば、足早に通り過ぎる人が多い地下通路に、足を止めて、「本」を読みふける人の姿が目立った。彼らが立ち止まった壁の一角に設けられたのは、期間限定の「社員クチコミ図書館」。仮設の本棚に並んだ100冊には、企業社員の口コミが集められている。表紙にはそれぞれの「本」が取り上げた企業名が見える。1社ごとに1冊が用意され、計100冊が壁を埋めた。

この「社員クチコミ図書館」を開いたのは、就職・転職のための企業情報口コミサイトを運営するオープンワーク(東京・渋谷、旧ヴォーカーズ)だ。転職を考えるうえでハードルのひとつとなっているのが、転職先の実情のわかりにくさだろう。報酬や制度は事前の情報入手がある程度可能だが、一緒に働く仲間や会社のムードなどを伝える情報は少ない。口コミはそうした情報不足を補う存在となる。

■働きがいのある企業ランキングトップ3は…

今回の「社員クチコミ図書館」で取り上げたのは、同社が選んだ「働きがいのある企業ランキング2019」の上位100社だ。約296万人(2019年5月現在)にのぼる会員の投稿に基づく評価を集計した結果で、トップはグーグル、2位はセールスフォース・ドットコム、3位は三井不動産だった。

仕事は自分1人で成果を出せるものではない。一緒に動くチームのパフォーマンスが重要だ。転職に際しては、自分が加わるチームのありようや、そこで自分がどんな化学反応を起こせるかも十分に考慮しておきたい。社員口コミはそうした環境をうかがい知るヒントにもなり得る。

社員の口コミが1社ごと1冊に

■「誰とやるか」がパフォーマンスに大きな影響

チームで働くにあたって、『THE TEAM 5つの法則』(幻冬舎)は読んでおきたい1冊だ。著者の麻野耕司氏はリンクアンドモチベーションの取締役。採用や人事、労務などの領域でクラウドや人工知能(AI)などの新しい技術を活用する「HRテック」のキーパーソンとして知られる。オープンワークの取締役でもある。

同書には、これまでの「チーム」の常識をひっくり返すような提案がたくさん盛り込まれている。「チームにはコミュニケーションが多ければ多い方が良い」「偉大なチームには偉大なリーダーがいる」といった、組織論にありがちな思い込みに対して、学術的な裏付けを伴って、疑問を呈していく。

麻野耕司氏

転職で迎え入れた新しい仲間を、しっかりチームで機能させられるかどうかは、企業のパフォーマンスを左右する。それぞれのチームが醸し出す雰囲気は社風につながり、チームの仕事ぶりは企業業績に直結する。麻野氏は「オープンワークの評価と、各企業の業績には相関関係が見える」とする。

「『何をやるか』と同様に、いやそれ以上に、『誰とやるか』はチームのパフォーマンスに多大な影響を与える」と、著書の中で麻野氏はいう。転職先でチームを組む人たちの雰囲気をつかむ助けにもなりそうな社員口コミは、転職を考える人にとって、無視できない存在となっていきそうだ。

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