そしてもう一つは、7GBを超過したときの通信速度が300kbpsと、従来の128kbpsより速いこと。通信量超過時の通信速度が1Mbpsの、NTTドコモの「ギガホ」と比べると3分の1以下だが、SNSやメッセンジャーアプリなどでテキストをやり取りするくらいなら、それほどストレスを感じずに利用できる通信速度は確保できる。SNSなどで日常的にデータ通信は利用するものの、動画を視聴するなどヘビーに利用するわけではない、データ通信の中間層向けプランといえるだろう。
そしてauデータMAXプランは、データ通信量が無制限と、ヘビーユーザー向けのプランだ。料金は2年契約適用時で月額8980円と高くなるが、動画などをたくさん視聴してもそれ以上料金がかからないというのが大きなメリットとなる。
ただしいくつか制約もある。まずテザリングやデータシェア、国際ローミング利用時の通信量上限は20GBまでで、それを超えた場合は通信速度が128kbpsに落ちる。そしてもう一つは、短い時間の間に極めて大容量のデータ通信をした場合、速度制限がかかる場合があるということだ。

その具体的な条件は開示されていないが、他のau料金プランの場合、3日間で6GBを超えたデータ通信をすると速度制限がかかるという条件が付けられている。KDDIの関係者によると、auデータMAXプランの速度制限条件は「それより緩い」とのことなので、基本的には従来以上にデータ通信をするのでなければ問題はないだろう。
家族契約での割引もあるが適用範囲の狭さに注意
新料金プランには、共通して適用できるオプションと割引サービスが用意されている。1つは音声通話定額のオプションで、3つのプランはいずれも音声通話が30秒20円の従量制であることから、定額通話をするなら5分間通話定額の「通話定額 ライト」(月額700円)か、24時間通話定額の「通話定額」(月額1700円)を契約する必要がある。
2つ目は従来のプランにも提供されている、対象の固定ブロードバンドサービスなどを契約していると割引が受けられる「auスマートバリュー」。auフラットプラン7プラスとauデータMAXプランは月額1000円の値引きがなされるが、新auピタットプランの場合、1GB未満の場合は値引きなし、それ以上の場合は500円の値引きとなる。
そして3つ目は、「家族割」のグループに入っている全ての回線に適用される割引が受けられる「家族割プラス」。グループに入っているのが2回線の場合は月額500円、3回線以上の場合は月額1000円の割引が受けられる。
これは割引額で見ると、NTTドコモの「みんなドコモ割」と同じだが、家族割の適用範囲はこちらの方がかなり狭い。

NTTドコモの場合、みんなドコモ割の対象となる「ファミリー割引」のグループは3親等までが対象で、離れて暮らしている叔父や叔母、曽祖父母などとグループを組むことも可能だ。
だがauの場合、家族割のグループを組むことができるのは同一住所に住んでいる家族に限られる。例えば子供が一人暮らししているような場合、auでは家族割は適用できない。ただし唯一の例外として、auスマートバリューの対象となる光・ケーブルテレビ回線に加入している場合は、離れて暮らす50歳以上の家族もグループの対象に含めることが可能となっている。