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ロボットエリカと話したい 自然な会話へ試行錯誤 AIの未来を若手研究者が語る(京都大学・井上昂治)

人工知能研究会/AIR

2019/5/22

人間と見間違うロボットERICA(エリカ)
次世代の人工知能(AI)研究を推進するコミュニティー「人工知能研究会/AIR」のメンバーが、リレー形式で若手の目線から見たAIの最前線をお伝えします。会員数約1500人のAIRは、東大、京大、阪大の若手研究者が中心。今回の執筆者は京都大学大学院情報学研究科助教の井上昂治さんです。

こんにちは。京都大学の井上昂治と申します。これから私、井上がなぜAI研究にひき付けられていったのか、体験談を交えながらお話いたします。

「リラックスできる音楽をかけて」「昨日のサッカーの試合の結果を教えて」

最近の私たちの生活では、スマートスピーカーや会話ロボットに向かって話しかける光景が日常的なものになりつつあります。「人間のように会話ができるロボット」の実現は人工知能(AI)研究の大きな目標の1つです。

AIを搭載した会話ロボットというと、SFの世界ですが、鉄腕アトム、ドラえもん、スターウォーズのC-3POなどを思い浮かべるでしょう。これらのロボットは一緒に登場する人間(キャラクター)たちと難なく会話ができています。

しかし、現在の会話ロボットに目を向けてみると、簡単な質問やアプリの操作はこなすことができますが、人間のようにスラスラと長くて深い会話をこなすことは難しいです。

このため、現在の会話ロボットは「ツール」としては認められていますが、上記のSFに登場するような人間の「パートナー」としては、十分であるとはいえません。

筆者とERICA(エリカ)

私は、会話ロボットを人間のパートナーにするための研究を進めています。特に、音声で会話をする機能に対応する「音声対話システム」が私の専門分野です。皆さんの身の回りのスマートスピーカや会話ロボットがもっと賢くなり、社会的に信頼される存在になることを目指しています。

■突然やってきた人間そっくりのロボット「エリカ」

今から約4年前、京都大学大学院情報学研究科修士課程に在籍していた私は音声信号処理の研究に取り組んでいました。博士課程に進学するとき、指導教員の河原達也教授から「今度からロボットの研究プロジェクトが始まるから」と言われ、どんなロボットかも知らず、ぼんやりと待っていました。

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