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自治体「幸福度」の不都合な真実 実感と不一致はなぜ

2019/5/14

福井県知事選では「幸福度日本一の実感がない」と訴えた新人が現職を破った=共同

先の統一地方選では、住民の「幸福度」の向上を訴える候補者があちこちで見られました。都道府県別の幸福度ランキングは注目され、独自に幸福度調査をする自治体もあります。ただ幸福度を行政にどう活用するかは、試行錯誤が続いています。

幸福度の測り方には主に2つの方法があります。1つは「1人当たりの居住面積」「1人当たりの医師数」など幸せに関係がありそうな指標を集めて合成する手法で、客観的な指標と呼ばれます。国連が毎年3月に発表する国別の幸福度ランキングや、日本総合研究所が公表する都道府県別の幸福度ランキングはこの手法です。

その都道府県別の幸福度では、福井県が3回続けて1位になりました。ただ先の福井県知事選では「幸福度日本一の実感がない。それを実感できるようにする」と訴えた新人が現職に勝ちました。各種のデータは福井県の暮らしの豊かさを浮かび上がらせますが、若者を中心に人口流出は拡大しています。客観的な指標で幸福度を測ることの限界と言えます。

幸福度を測るもう一つの手法が、幸せかどうかを住民に直接聞くやり方です。主観的な指標といえ、客観的な指標ではわかりにくい住民の幸せの実感をつかむことに役立ちます。

福岡県は毎年、県民意識調査で幸福の実感について「とても幸せ」が10点、「とても不幸」を0点とする10点満点で聞いています。平均点はここ5年間で最低6.46、最高6.67。人並みより幸せと感じている人が多いことをうかがわせます。

幸福度を重視する自治体には、客観的な指標のランキングを上げることや、主観的な幸福実感を最大化することを目標にするところもあります。ただランキングに使う客観的な指標を何にするかは調査によってまちまちで、基準とした指標が住民の幸福実感と一致するとはかぎりません。

主観的な幸福実感では、収入が増えて幸福だと感じても、しばらくするとさらに上を望むようになって幸福の基準が変わります。幸福実感を住民に聞く調査の多くで平均点が10点満点で6~7点に収まり、あまり動かないのはこのためと考えられています。ここからさらに引き上げるのは難しいのが実情です。

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