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抹茶ブームのシドニー 名店元料理長の日本人仕掛ける

現在2店舗を経営する高山健太郎さんは、シドニーBills総本店の元料理長

ケニーさんはいつも以下のことにこだわっている。これらは「cafekentaro」のコンセプトそのもので、Bills時代に会得した気づきだという。

fresh everyday(毎日新鮮)

Simple(シンプルな調理と盛り付け) 

Classic(昔からある料理を飾らずそのまま)

Natural(自然のまま)

Seasonal(季節ごとに旬の食材を使う)

Billsでは季節のおいしさを引き出すために旬の食材だけを使用し、極力手を加えずに仕上げるのが基本だった。例えば、「朝食のシンボルであるスクランブルエッグは、材料は卵と生クリームと塩だけ。でも卵はオーガニック、塩はピンクソルト、生クリームはフレッシュなもののみを使用していました。横に添えるトーストはサワードウ(長時間発酵させて作る、乳酸菌が豊富なサワーブレッド)、バターは発酵バター……。とにかくすべての材料に徹底的にこだわっていました」とケニーさん。

これらBills時代からの飲食哲学を今でも踏襲しているので、ケニーさんは自ら毎朝マーケットへ出向き、今が旬のおいしい食材を厳選し、その日のうちに使い切る。だから料理のための冷凍庫は不要。朝に仕込み、その日の食材を使いきったらお店はクローズとなる。すべて手作りで、毎日営業終わりには冷蔵庫や焼き菓子ケースは空になる。

「cafekentaro」の看板メニュー「ケンタロウスタイルオムライス」(19豪ドル/約1500円)と「カツサンド」(15豪ドル/約1170円)

2店舗とも看板メニューはオムライスとカツサンド。生クリームをたっぷり使ったとろとろのオムライスにかけるデミグラスソースには、隠し味に八丁味噌を使用。酸味とコクが増し、日本らしい味わいだ。一方、断面が3センチほどもある大ぶりのカツサンドは、キャベツを毎朝細かく薄切りにし、水に何度かさらしたものを使用。カツはオーダーが入ってから日本産の生パン粉をまぶして、ほどよい肉質になるように温度と時間に注意しながら丁寧にジュージーに揚げている。

「シドニーにはすでにすしや天ぷらを作る腕のいい和食の職人さんがたくさんいるので、自分はオムライスやカツサンドといった『日本の洋食』で勝負に出たいと思っています」とケニーさん。

もともとケニーさんは料理好きで、小学校の頃から自宅で頻繁に料理をしていた。いつか自分の飲食店をやりたいと思い、日本の大学を卒業後、ワーキングホリデーでオーストラリアのケアンズに渡った。「当時は初海外・初飛行機・貯金ゼロ・英語力ゼロの状態でしたが、思い切って海外に出ました」と笑いながら振り返るケニーさん。海に近く、気候も安定して過ごしやすいケアンズが魅力的だったと話し出す。

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